毎日のように最近はオレの家に通い始めている
今日も暇じゃないからこそ
忙しい時にも来るから鬱憤は溜まってきてもいた
どんな時もそう言ってプラス思考に考える
嬉しいけど、万が一あなたの存在を知られたら
ネットで荒れたりするのは分かっている
だけど一番嫌なのは心無いコメントに
あなたが不本意に傷つく姿
オレの胸の中に顔をうずめながら
相変わらず幸せそうな顔で再び抱きついてきた
どんな手でこの子を宥めようとしても曲がってくんない
彼女の頭を撫でながらそんなことを
おねだりしてみると「でも…」とまだ納得いってない
早く終わる気がしないので何より見られたら困るので
玄関に入れてから彼女の説得を試みた
両手を合わせて必死な口調で伝えてみると
「そうですか…」とだいぶ折れてきたようで
追い打ちをかけるようにして
口角が下がってしまった、あなたの唇を奪った
「ひどいです」とムスッとしたような口調で
返ってきたのでカチンときてしまった
オレも悪いのは知っているけど事情を知らないまま
話を進められるのが気に食わなかった
気づけばトゲのある言い方しかしてなかった
聞き流せばいいのにこの口が止まってくれなかった
吐き出せば吐き出すほどに出てくる鬱憤
やばい、と口を慎むのが遅すぎた
みるみるうちに涙目になっていくあなたの目
勢いよくドアを開けて
逃げるようにして帰って行ってしまった
…疲れてるからって人にあたってオレ最低じゃん
自分にむしゃくしゃして髪の毛を荒々しく触った
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。