第13話

いちごみるく
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2019/08/29 14:07
保健室に1番離れた階段だったから
廊下を歩くとめちゃくちゃ目立った。

「失礼します」

「あれ、大和くんに伏見ちゃん、すごい登場だね」

あいにく保健室に他の生徒はいなかった。
先生が伏見さんに駆け寄ってくる。


「伏見ちゃん、生きてる〜?」

「…生きてます、殺さないでください」

そう言えば伏見さんは保険委員会だった。
だから先生と仲がいいのか。


話しながらも素早く処置をしてくれた。


「じゃあ僕はこれで…」

「待って」

保健室に伏見さんの声が響く。

「あ、先生邪魔かな?じゃあね〜」


そう言うと先生は出て行ってしまった。



「ごめんね、
僕のせいで怪我させちゃって…」


「違うよ。 足は落ちる前にひねったの。」

「でも…」

遮るように、伏見さんが僕に向かって話す

「大和くん、いつも本当にありがとう
…ヒーローみたいでかっこよかった」



そう言うと伏見さんはいちごみるくをくれた。

「…こちらこそありがとう。お大事にね」




伏見さんのくれたいちごみるくは
とても甘くて、とても優しい味がした。

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