「…どういうこと?」
伏見さんはまたまたばつが悪そうに目を伏せた。
これは癖のようだ。…かわいいけど。
「実はさ、今親が怪我して入院しちゃって。」
「そーそー!」
「それで、私は料理ができなくて。
ずっとコンビニだったら舞子が…」
「舞子はハンバーグが食べたいのっ!」
「もしかしてハンバーグ焦がしたから
焦げ臭いの…?」
「そーそー!」
舞子ちゃんの口癖は"そーそー!" らしい。
「お願い、大和くん。作ってください!」
美味しいかわかんないけど…
伏見さん達に任せると火事になりそう。
…1時間後…
「おいしー!! 舞子、これが食べたかったの!」
「よかった。」
ぽっと舞子ちゃんのほっぺが赤くなる。
「…メガネ笑うとかっこいい。」
「へ?」 「え?」
伏見さんと僕の声が重なる。
「メガネ、舞子と結婚しよ!!!」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。