前の話
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ぽん
ぽん
ぽん
ぽん
え?何が終わったかって?
そんなの毎日更新されるボイス集に決まってるでしょ。
え?さっきからぽんぽんうるさいって?
タッチ音だからちょっとは我慢してよね。
私の人生はなかなか幸せだと思う。
家に帰ったら待っててくれる人がいて愛を伝えてくれる人がいて、一緒にいたいって言ってくれる人がいる。
うん、幸せだわ。
よし、なら勝手に喋らせてもらおう
ぽん
キャラクタープロフィールのボイスを押す。
ぽん
ぽん
息切れした。ぶっちゃけ帰宅部、体育の授業さえやばい奴なので一気に話すだけできつい。
肺活量でも鍛えるか。
蒼汰をみるとイヤホンをしていた。
まあ、自分でもこじらせ感がやばいのはわかる。でもさ、みんなにも趣味の一つや二つくらいあるでしょ?
ゲームを開く。
なぜかログイン中のボイスが流れはじめる。
今度は夜の限定ボイスである。
時間は?と確認してみるものの
バグったように次々とボイスが流れる。
必死に画面を連打する。
ふっと暗くなる
なかなかバグが起きないとファンの中で評価されているゲームなのでひたすら焦る
私は交流アプリで確認しようとした。
最後の言葉を言いきれぬまま私は意識を失った
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。