霧崎第一高校体育祭開催直前。
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生徒代表の宣誓の言葉が終わり、ついに体育祭が始まった。
俺は球技以外はある程度こなせるから、徒競走とか二人三脚、借り物競争、リレーとかの主に走る競技に選ばれていた。
第一競技の徒競走の出走準備をしていると、
「あ、あの…あなたく
カズくんがいつものように飛び付いてきた。
なんだかクラスの女子にも呼ばれた気がしたけど、何事においても年下は優先しないといけないから、カズくんの話を聞いてあげる。
カズくんの言葉に苦笑していると、いつの間にか先程の女子がいなくなっていた。
まぁ、同じクラスだし、必要な用件なら後でまた話し掛けて来るだろうし、いいか。
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二人三脚に出る直前。
準備担当の康くんが俺のところへやってきた。
直前で怪我なんてツイてない人だなぁ。
その後、康くんと一緒にゴールテープを持つ係を務めた。
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あ、健くんが借り物競争の準備してる。
健くんは借り物競争の準備担当になったんだ。
カード1枚ずつ並べるの大変そうだなぁ。
ーーー位置について!
よーい………どん!!
先生のスタートの合図と共に駆け出す。
カードを置かれている場所まで来て、借り物を確認する。
『兄弟』
きょろきょろして真の姿を探すと、待機している生徒の中から大きく腕を振ってアピールしてくる真を見つけた。
早めに見つかってよかった……!
真の手を引いて、なんとか1位でゴールした。
俺が笑って言うと、健くんも真も嬉しそうにしてくれた。
あれ?でもあの借り物じゃあ兄弟のいない人はどうするんだろ………。
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昼食休憩。
みんなで食べられるようにお重に入れて持って来たお弁当を広げる。
おにぎりやウインナー、卵とじ、アスパラのベーコン巻き、唐揚げ、酢の物にトンカツなどなど。
あとデザートは梨とフルーツサンド。
みんな小さい子みたいに目を輝かせてる。
可愛いなぁ。
お重の中身はあっという間に無くなっていって見事に完食だった。
頑張って早起きして作った甲斐があったなぁ。
みんなの幸せそうな顔をみて俺は大満足だった。
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その後色々な競技があって、バスケ部のメンバーはそれぞれ大活躍だった。
健くんの玉入れの成功率とか、康くんの騎馬戦や、カズくんの障害物競争とか…。
けど、やっぱり真の学年ダンス種目が1番可愛かったなー。
そしてーーー
ヒロくんから受け取ったバトンで不様な走りは出来ない。
それから始まったリレーで、ヒロくんは他のチームの走者をぐんぐん引き離し、アンカーの俺は陸上部の生徒を相手に接戦を繰り広げ、なんとか1位になった。
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げしっ。
そんな感じで霧崎第一高校の体育祭は幕を閉じたのだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。