第22話

体育祭
557
2020/10/01 07:14
霧崎第一高校体育祭開催直前。
花宮真
花宮真
いいか、てめぇら。
原一哉
原一哉
もち。抜かりないよん♪
古橋康次郎
古橋康次郎
ミーティングで話し合った通りに動けばいいんだろう。
花宮真
花宮真
あぁ。健太郎、くれぐれも寝るんじゃねぇぞ。お前が作戦の要だからな。
瀬戸健太郎
瀬戸健太郎
はいはい。
花宮真
花宮真
山崎ヤマもわかってるな?
山崎弘
山崎弘
わーってるよ、ったく。
花宮真
花宮真
よし。そろそろ始まるな、散れ!

◆◇◆◇◆

生徒代表の宣誓の言葉が終わり、ついに体育祭が始まった。

俺は球技以外はある程度こなせるから、徒競走とか二人三脚、借り物競争、リレーとかの主に走る競技に選ばれていた。

第一競技の徒競走の出走準備をしていると、

「あ、あの…あなたく
原一哉
原一哉
センパーイッ!
(なまえ)
あなた
おふっ!?
………カズくん、今日も絶好調だね。
カズくんがいつものように飛び付いてきた。
原一哉
原一哉
もっちー♪
センパイ、徒競走でんの?
(なまえ)
あなた
うん。これは個人競技だからね。
カズくんも2年の部で出るでしょ。
なんだかクラスの女子にも呼ばれた気がしたけど、何事においても年下は優先しないといけないから、カズくんの話を聞いてあげる。
原一哉
原一哉
そーだけど。センパイのこと見かけたついでに応援に!
(なまえ)
あなた
そっか。ありがとう。
原一哉
原一哉
だから俺が走るときも
応援してよねー。
(なまえ)
あなた
もちろん!お互い頑張ろうね。
原一哉
原一哉
センパイ、ガムいる?
(なまえ)
あなた
こらこら。いくら体育祭のときはお菓子の持ち込みが許可されてるからって走る前にガムは噛めないよ。
原一哉
原一哉
俺バスケの時に噛んでるけど?
(なまえ)
あなた
カズくんは器用だからだよ。
俺がそんなことしたら走ってる間に
飲み込んじゃう。
カズくんの言葉に苦笑していると、いつの間にか先程の女子がいなくなっていた。

まぁ、同じクラスだし、必要な用件なら後でまた話し掛けて来るだろうし、いいか。

◆◇◆◇◆◇

古橋康次郎
古橋康次郎
あなた先輩。
(なまえ)
あなた
あれ、康くん。どうしたの?
二人三脚に出る直前。
準備担当の康くんが俺のところへやってきた。
古橋康次郎
古橋康次郎
すみません、先輩。どうやら先輩と組んで出る予定だった生徒がさっき怪我をしたみたいです。
(なまえ)
あなた
えっ。
古橋康次郎
古橋康次郎
だから人数の調整で先輩は出なくて
いいことになりました。
(なまえ)
あなた
そうなんだ。
連絡してくれてありがとう。
古橋康次郎
古橋康次郎
いえ…。
直前で怪我なんてツイてない人だなぁ。
古橋康次郎
古橋康次郎
その代わり、先輩は競技の準備を
手伝うことになっています。
(なまえ)
あなた
わかった。それじゃあ一緒に行こうか。
古橋康次郎
古橋康次郎
はい。
その後、康くんと一緒にゴールテープを持つ係を務めた。

◆◇◆◇◆◇

(なまえ)
あなた
次は借り物競争かぁ。
あ、健くんが借り物競争の準備してる。
健くんは借り物競争の準備担当になったんだ。

カード1枚ずつ並べるの大変そうだなぁ。
ーーー位置について!
   よーい………どん!!
先生のスタートの合図と共に駆け出す。

カードを置かれている場所まで来て、借り物を確認する。
(なまえ)
あなた
俺のやつは…えっと……。
『兄弟』
(なまえ)
あなた
わ!まーくん、どこにいるんだろ!?
花宮真
花宮真
兄貴!こっちだ!!
きょろきょろして真の姿を探すと、待機している生徒の中から大きく腕を振ってアピールしてくる真を見つけた。

早めに見つかってよかった……!
(なまえ)
あなた
まーくん、一緒に来て!
花宮真
花宮真
あぁ、わかった!
真の手を引いて、なんとか1位でゴールした。
瀬戸健太郎
瀬戸健太郎
先輩、お疲れ様でした。
(なまえ)
あなた
健くん!ありがとう。
なんとか1位だったよ!
瀬戸健太郎
瀬戸健太郎
流石ですね。
花宮真
花宮真
ふはっ!楽な借り物で良かったな、
兄貴。
(なまえ)
あなた
うん!まーくんが見つけやすいところにいてくれて助かったよ。
俺が笑って言うと、健くんも真も嬉しそうにしてくれた。


あれ?でもあの借り物じゃあ兄弟のいない人はどうするんだろ………。
(なまえ)
あなた
ま、いいか。

◆◇◆◇◆◇

昼食休憩。
(なまえ)
あなた
はい!みんなお疲れ様!
今日は腕によりをかけてお弁当
作ってきたからね。
霧崎第一
霧崎第一
おぉおー!
みんなで食べられるようにお重に入れて持って来たお弁当を広げる。

おにぎりやウインナー、卵とじ、アスパラのベーコン巻き、唐揚げ、酢の物にトンカツなどなど。

あとデザートは梨とフルーツサンド。
瀬戸健太郎
瀬戸健太郎
これを普通に作れる先輩って
凄いよね。
原一哉
原一哉
ヤバイって。めっちゃウマそう…!
古橋康次郎
古橋康次郎
梨がある…。
山崎弘
山崎弘
先輩の手作りのトンカツ…!
花宮真
花宮真
わざわざネットでレシピ調べてた
からな。
みんな小さい子みたいに目を輝かせてる。

可愛いなぁ。
(なまえ)
あなた
じゃあ、さっそく食べようか。
いただきます。
霧崎第一
霧崎第一
いただきます!
お重の中身はあっという間に無くなっていって見事に完食だった。

頑張って早起きして作った甲斐があったなぁ。

みんなの幸せそうな顔をみて俺は大満足だった。

◆◇◆◇◆◇

その後色々な競技があって、バスケ部のメンバーはそれぞれ大活躍だった。

健くんの玉入れの成功率とか、康くんの騎馬戦や、カズくんの障害物競争とか…。

けど、やっぱり真の学年ダンス種目が1番可愛かったなー。

そしてーーー
(なまえ)
あなた
いよいよ次は学年混合リレーか。
山崎弘
山崎弘
先輩。
(なまえ)
あなた
あ、ヒロくん!同じチームだよね!
頑張ろうね。
山崎弘
山崎弘
うっす!
あ、先輩の前の走者俺になったんで。
(なまえ)
あなた
?そうなの?
山崎弘
山崎弘
さっきチームメイトと話したんすよ。
んで、バスケ部で体力のある俺がアンカーの先輩にバトン渡した方が有利だからって変えてもらいました!
(なまえ)
あなた
そっか!じゃあ尚更頑張らないとね。
ヒロくんから受け取ったバトンで不様な走りは出来ない。
それから始まったリレーで、ヒロくんは他のチームの走者をぐんぐん引き離し、アンカーの俺は陸上部の生徒を相手に接戦を繰り広げ、なんとか1位になった。

◆◇◆◇◆◇

(なまえ)
あなた
はー、体育祭楽しかったねぇ。
花宮真
花宮真
ふはっ!
(球技以外なら)兄貴は何やっても
こなせるしな。
(なまえ)
あなた
それはまーくんたちだって
同じでしょう。
(なまえ)
あなた
それに何か色々あってそれほど競技にも出てないし。
古橋康次郎
古橋康次郎
だが、あなた先輩からの応援は
力になりました。
原一哉
原一哉
だよねー。騎馬戦の相手がカワイソウだったわ。
瀬戸健太郎
瀬戸健太郎
あー……けど疲れた、眠い…。
先輩…膝枕………(=_=)zzz
山崎弘
山崎弘
おいコラ瀬戸ォ!!
(なまえ)
あなた
あはっ、いいよ。
頑張ったご褒美に。
原一哉
原一哉
ナニソレ瀬戸ズルイ!
センパイ俺にも!
古橋康次郎
古橋康次郎
先輩……(じー)。
花宮真
花宮真
…………(怒)
げしっ。
山崎弘
山崎弘
痛って!?俺に八つ当たりすんな!

そんな感じで霧崎第一高校の体育祭は幕を閉じたのだった。

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