僕は花宮あなた。
今年霧崎第一高校へ入学したばかりの1年生。
部活はもちろんバスケ部に入った。
その理由は…
大好きなまこにぃがバスケ部で監督兼主将をしてるから!
僕がまこにぃに飛び付いたら、まこにぃはそのままぎゅっと抱きしめてくれた。
最初はまこにぃみたいに選手として入部したかったけどそれは『危ないから』って許してもらえなかった。
だから僕はマネージャーとしてまこにぃを支えることにした。
対戦相手校のデータを集めて解剖したり、選手たちのサポートをすることが僕のお仕事だ。
それと…
健ちゃんを起こすのも僕の大事なお仕事だ。
ぎゅー
起きるときはきちんと起きてくれるけど、こうして抱き枕にされちゃうことも多い。
しかも
後ろからカズちゃんに抱きつかれた。
前後で挟まれてサンドイッチの具状態だ。
そう言うときは、大抵ヒロちゃんが助けてくれるけど。
ゴスッ
ヒロちゃんに蹴飛ばされて健ちゃんがゆっくり身体を起こす。
常備してある健ちゃんのワックスを手渡すとようやく健ちゃんの目が覚めた。
あくびをしながらちょいちょいと手招きされた後、
手早く前髪をゴムで括られた。
僕男の子なのに~。
こーちゃんがやって来てヘアゴムを見ながら言う。
みんなのユニフォームと同じ色だったから、すぐにお気に入りになった。
ぴんっ!
いきなりデコピンされてびっくりした。
こーちゃんは一見無表情だったけど、僕から見れば凄く満足げな顔をしていた。
こーちゃんのパンはとっても美味しい。
特にクロワッサンは作るのが得意みたいでよく僕に持ってきてくれる。
僕は慌てて部室を飛び出した。
◆◇◆◇◆◇
どんっ
僕は言われたことをちゃんとこなせなかったから、体育倉庫で壁どん中。
まこにぃがゴムの飾りに触れる。
まこにぃの首へ手を回して微笑む。
ちゅっ…
毒を食らわば皿までーーーーー
了
弟夢主のイメージ画↓
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。