第14話

episode14
1,071
2018/04/09 06:09
「あなたちゃんこっち」



『あ、大ちゃん。ごめんね待った?』



「ううん、大丈夫大丈夫」





電話で大ちゃんと話してから私が涼介の家まで案内するという事になり、



取りあえず涼介の家の近くの駅で待ち合わせをし今に至る。





「なんかごめんなー、付き合わせちゃって」

『そんなそんな!私が勝手に言い出したことだし』



それに涼介も携帯ないと大変だもんね、なんて何気なしに言った言葉に大ちゃんは



山田はほんと良い彼女もらったなー羨ましい。だなんて言う始末。




私はその言葉にただ笑って返すことしか出来なかった。




だって私は涼介の彼女だと胸を張って言える自信がなかったからだ。



二人肩を並べて他愛もない会話をし、ようやく涼介が一人で住むマンションへと到着した。




『ここだよ』



「うわ、でっけーマンション」

『大ちゃんは一人暮らしじゃないの?』


「いや、俺は実家だよ」




どこか珍しそうにしている大ちゃんにそう問いかけると笑顔でそう返事が返ってきた。




確かに彼は一人で部屋を借りて静かに暮らすと言うよりも




沢山の人に囲まれて楽しく暮らしてるイメージの方が凄く合っている。




なんだか大ちゃんらしいなと緩む口元を隠しながら私は一人納得していた。

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