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第1話

1話
491
2021/08/19 11:01





幸せは、ずっと続くものではなかった。





星野 詩
星野 詩
おかあ、さん?
詩の母
詩の母
うた…逃げなさい…
星野 詩
星野 詩
やだ、やだ…!
星野 詩
星野 詩
お父さん…!
横に居た父を見れば、既に事切れていた。
星野 琴
星野 琴
お姉ちゃん!逃げよう!
星野 詩
星野 詩
こと
幼い妹、琴の泣き顔を見て、決心した。

まだ息があった母親を見捨て、走り出した。





____しかし、所詮子供の足。

すぐに追いつかれ、私より足の遅かった妹が
捕まってしまった。
星野 詩
星野 詩
琴!!!
童磨
童磨
ああ、そんなに叫ばなくても
すぐに君も食べてあげるよ。
星野 詩
星野 詩
っふざけないで!
妹を離して!
童磨
童磨
なぜそんなことを言うんだい?
幸せになれるのに…
童磨
童磨
…おや、もう夜明けか。
残念だけどもう帰らなきゃ。
星野 詩
星野 詩
妹を返して!
童磨
童磨
ふふ、ごめんね。
また今度。
そう言うと瞬く間に鬼はどこかへ行ってしまった。
星野 詩
星野 詩
あ、あ…
星野 詩
星野 詩
うああああああああ!!!!!!







家族、そして当たり前の日常と幸せ。


それら全てを、この日に失った。






モブ
モブ
おい!ここにいたぞ!
モブ
モブ
鬼は?
モブ
モブ
居ない。
逃げたみたいだ。
モブ
モブ
君、大丈夫か?
星野 詩
星野 詩
え、あ…
星野 詩
星野 詩
あなた、たちは?
モブ
モブ
…私たちは
モブ
モブ
『鬼殺隊』よ。
星野 詩
星野 詩
鬼殺…隊?
モブ
モブ
ごめんなさい、詳しい話はまた別の日に。
モブ
モブ
とにかく蝶屋敷に運ぼう。


安心のあまり、私はそのまま気を失ってしまった。










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