前の話
一覧へ
次の話

第8話

8話
278
2021/09/01 09:00
星野 詩
星野 詩
ここ…かな?
次の柱の元へ着いた。
星野 詩
星野 詩
すみません、星野詩です。
お館様に言われてきました。
そう言ってしばらくすると、
扉から黒髪の男の人が出てきた。
伊黒小芭内
伊黒小芭内
俺は伊黒小芭内だ。
とりあえず中に入れ。
星野 詩
星野 詩
は、はい。
少し不機嫌なようだった。
星野 詩
星野 詩
(なにか邪魔したかな…?)
そう思い、中に入ると手紙が一通落ちてるのが
目に入った。
星野 詩
星野 詩
あの、伊黒さん。
これ落ちてました…
伊黒小芭内
伊黒小芭内

それは、
伊黒さんは焦ったように私から手紙を取った。
しかし余程焦っていたのか
手紙は伊黒さんの手から離れて再び床に落ち、
今度は中身も出てしまっていた。
星野 詩
星野 詩
だ、大丈夫ですか?
伊黒小芭内
伊黒小芭内
ああ、すまない…
拾うのを手伝っていると、
ふと差出人の名前が目に入った。
そこに書いてあったのは…
星野 詩
星野 詩
甘露寺…蜜璃?
伊黒小芭内
伊黒小芭内
!?
伊黒小芭内
伊黒小芭内
貴様…見たのか…
星野 詩
星野 詩
あっいえわざとでは…!
星野 詩
星野 詩
どうぞ…
伊黒小芭内
伊黒小芭内
…ああ。
星野 詩
星野 詩
あの、本当に勘違いだったら
申し訳ないんですけど…
伊黒小芭内
伊黒小芭内
…何だ。
星野 詩
星野 詩
甘露寺さんのこと好きなんですか?
伊黒小芭内
伊黒小芭内
…っ!
なぜそう思った?
星野 詩
星野 詩
手紙が落ちてたってことは
さっきまで読んでたのかなって…
心なしか不機嫌なようだったので
邪魔しちゃったかなと思って。
星野 詩
星野 詩
あとは…好きじゃない相手からの
手紙を他人にとられても
そんな必死に取り返すかな…と。
伊黒小芭内
伊黒小芭内
…ああ、そうだ。
伊黒小芭内
伊黒小芭内
俺は甘露寺のことが好きだ。
伊黒小芭内
伊黒小芭内
あれほど可憐で優しい女性は居ない。
星野 詩
星野 詩
甘露寺さん素敵な方ですよね。
私もすごくお世話になりました。
伊黒小芭内
伊黒小芭内
ああ…もう行ったのか。
伊黒小芭内
伊黒小芭内
その…甘露寺のところでは…
星野 詩
星野 詩
…良かったらお話しましょうか?
伊黒小芭内
伊黒小芭内

いいのか?
星野 詩
星野 詩
はい。
その代わり、私を強くしてください。
伊黒小芭内
伊黒小芭内
ああ、分かった。
じゃあとりあえず…
着替えて奥の部屋に来てくれ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
星野 詩
星野 詩
おまたせしました。
よろしくお願いします。
伊黒小芭内
伊黒小芭内
ああ。
伊黒小芭内
伊黒小芭内
俺は主に太刀筋の矯正を行う。
伊黒小芭内
伊黒小芭内
この木の障害物を避けながら
俺を狙え。
まずは木刀でだ。
星野 詩
星野 詩
わかりました。
口で説明され、早速やってみた。


が、これがとんでもなく難しい。
星野 詩
星野 詩
(よく見て、太刀筋を直さなきゃ…)
ひたすら、太刀筋を意識して
繰り返し繰り返しやった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<2週間後>
伊黒小芭内
伊黒小芭内
今日が最終日か。
星野 詩
星野 詩
はい。
伊黒小芭内
伊黒小芭内
今日は真剣を使う。
俺の羽織の裾を切ったら合格だ。
星野 詩
星野 詩
…はい。
今まで木刀でやってきて、かすることはあれど、
しっかりと当たったことはなかった
星野 詩
星野 詩
お願いします。
伊黒小芭内
伊黒小芭内
ああ。
挨拶を境に始まる。
障害物を避けながら必死に伊黒さんに剣を向ける
星野 詩
星野 詩
(あと少しっ…!)
ぐっと腕に力を入れ、剣を振るった。
今までにない集中で、正しく、
綺麗に振ることが出来た。
ザクッ!!
音を立てて裾が落ちた。
星野 詩
星野 詩
ハァッ、ヒュ、伊黒さん、これは…?
伊黒小芭内
伊黒小芭内
…合格だな。
伊黒小芭内
伊黒小芭内
2週間で仕上げたな。
次の柱のところに行け。
星野 詩
星野 詩
星野 詩
星野 詩
ありがとうございます…
伊黒小芭内
伊黒小芭内
甘露寺のこと、
教えてくれて感謝する。
星野 詩
星野 詩
ああ…伊黒さんもがんばってください。
星野 詩
星野 詩
それじゃあ…お世話になりました。
ありがとうございました。
伊黒小芭内
伊黒小芭内
ああ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
6人目の柱の訓練が終わった。

鬼殺隊に入隊するべく鍛え始め、
約3ヶ月が経っていた。
星野 詩
星野 詩
(あと3人…つまり1ヶ月。)
1ヶ月でほんとに鬼と戦えるのか。


そんな不安が頭の中にあった。
星野 詩
星野 詩
(日輪刀は最初にもらったんだよね。)
自分の刀ではないが、最終選別では必要になるため、
お館様から頂いた。
星野 詩
星野 詩
(絶対、家族の仇をとるんだ…。)
私の家族を喰ったあいつを、倒す。

それが私の目標だった。

プリ小説オーディオドラマ