エース side
こいつさっきから意味わかんねーんだけど……。
なんなの?マジで。
頭おかしいとしか思えねーわ。
…………………。
いや、こいつなんなの、おもろすぎでしょwww
この年になって仲直りとかwww
意外と精神は幼いワケ?ww
しかも元々直るほどの仲もなかっただろww
はー。笑う。
そいつはようやくオレがなんで笑ってるか気付いたようで、一瞬顔を赤くした。
………こいつ、さっきから無自覚?
一番たちわりーじゃん。
しかも顔は良いから余計に………って、いやいや。
ねーわ。うん。ねーから。
まあそいつが顔を赤くしたのは一瞬で、すぐに元に戻りやがったけど。
かわいくねー。
ニヤニヤしながら言うと、そいつは眉をしかめた。
ははっ。
……オレもお前、嫌いじゃないわw
───────
あなたside
ドンっ!
よろしくって言いなよ、と言いかけたところで人にぶつかられて、それは口に出すことのないまま終わった。
しかも結構勢い良くぶつかられたため、そのまま尻もちをつく。
どうやらぶつかったのはこの子のようだ。
少しつり目がちな目に紺色っぽい青髪。
右目のところにはスペードマークが描かれている。
……そういえば、エースは左目のところにハートマークが描かれていた。
もし寮の風習のようなものであれば、エースと同じ…ハーツ………なんとか寮ってことになるな。
携帯の画面を開くと着席しておかなければならない時刻まで10分をきっていた。
少し急ぎ足で教室までの道を歩く。
エース、グリムに続いて名前を告げる。
……んー、やっぱ皆に知られてるのか…。
めんどくさいな……。
グリムが私に聞いてくる。
まぁ、敬語が一番手っ取り早い壁だから…とは、言わないけれど。
曖昧に笑ってやり過ごすと、今度は青髪くんが話しかけてきた。
……同い年、ではないんだけどね、一応。
ま、それは良いとして。
……そうだね、エースにはタメで青髪くんには敬語ってのもな……。
デュースをからかうエースを見て、案外この二人は良いコンビなのかもしれないなと思った。
聞いていなかったなと思い立ったので聞いてみる。
なんかパッと見とさっき少し話した感じだと寝坊するような感じはしなかったんだけど…。
……………。
最早マンネリ化だなこの展開www
真っ赤になって否定するデュースに、こいつも嫌いじゃないな、と思った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。