第29話

例の袋
879
2021/03/09 10:00
you
おっぱ!
Jk
ん〜、、
you
おっぱぁ!起きてってば!!
Jk
ぅん…
you
おっぱ!今日デートでしょ!?
起きてぇぇぇぇ
おっぱの体を思い切り揺すると、やっともそもそと動き出す。

私の方を迷惑そうに見るこの人は、昨日甘い言葉を呟いた人と同一人物とは到底思えない。

you
おっぱ!起きて!
大好きな私とデートいくんでしょ!
おっぱの耳元でそう言うと、やっと起き上がったおっぱが眉間に皺を寄せて私を睨む。
Jk
まじで調子乗んなよ…?
you
ふふ、朝ごはんできてるよーっ
今日は全然こわくないもんね。

昨日あんなこと言ってもらえたから、当分冷たくされても全然大丈夫!!

…多分。
you
ねぇ今日ってどこ連れてってくれるの?
Jk
あぁ…着いてからのお楽しみ
出かける準備をしながら何度か聞くけどやっぱり教えてくれない。

女の子には服とか靴とか色々都合ってもんがあるんだけど…?

終いには、ちょっと出てくるとか言って家を出てしまった。
"ちゃんと支度しとけよ?"なんて。
…言われなくても分かってますっ。
お泊まりなんだからきっとどこか遠出でもするのかな?

ソアに選んでもらった服を並べて考え込む。
デートだから可愛くしたいけど、たくさん歩くならカジュアルな服装にしたいところ。

あぁ、やっぱりそれだけでも聞いとくんだった。

悩みに悩んで、結局デート用に買った服に着替えた。
おっぱは、どんな格好が好きなんだろう…?

ちょっと考えただけでも頬が熱くなった。

着ない服を引き出しにしまおうとすると、奥の方に例の袋が見えた。

派手で可愛い、あの袋…
you
どうしよう…
晴れて彼女持ちじゃないことを知ったけど、いつもの様子からして、今夜おっぱとどうこうあるとは思えない。

…思えないけど、なんだか頭の奥の方でソアとソジュンの
"ワンチャンあるよ"
がやけにこだましている。
you
もうっ、ないない!!////
必死に頭の中をかき消していると、スマホの通知がきた。
you
おっぱ?
急いで開くといつもの短文。
Jk
荷物持って下来て
you
はい!
と打つとすぐに既読がついて、
Jk
早く
と急かされた。
まずいまずい。

一瞬だけ悩んでから、私は手に持っていたその袋を急いでカバンの奥に突っ込んだ。

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