第38話

緊張と期待
906
2021/03/19 11:32
Jk
スマホ取って。
you
あ、はい…
おっぱの視線の先を見ると、充電中のスマホが見えた。

それを手に取り、立て膝のまま畳の上を移動する。

手が届きそうな距離まで行くと、おっぱにスマホを差し出した。
you
えっ、、
何故か伸ばした手首を掴まれて引っ張られると、自然におっぱの方に倒れ込む。
Jk
さっきからなんでそんな他人行儀なの?
近くに顔があることにびっくりして咄嗟に離れる。

また無駄にドキドキさせるんだ、この人は。

おっぱに掴まれたまま身体を離したから、浴衣が少し引っ張られた。
Jk
緊張してるでしょ
you
や、そんなことは…!
図星ですと顔に書いてあるんだろうなと自分でも思うくらい、見事に挙動不審になった。
Jk
言っとくけど、大体お前の考えてることくらいわかってるから。
you
えっ?
な、なに!?///
緊張してるのがバレてたとは言え、せめてその理由までは…と神様に祈るけど、聞き入れられそうにもない。
Jk
ていうか。
お前そんな色の下着着るんだ
you
はっ!?////
おっぱの目線を追うと、見事に見えてる私のブラ紐。

さっき袖を引っ張られた時に浴衣がズレたみたい。

…これだから浴衣着慣れないやつは!!!
自分で自分に怒りながら急いで襟を直すけど、多分もう無意味だ。
Jk
赤ね〜?
いつも通りニヤついているおっぱの顔が普段以上に憎たらしい。

私が考えてることなんてきっと全部お見通しで、わかった上で言ってるんだろうな…

ほんと、悔しい。
you
べ、別に…これくらい着ます!!!
Jk
へぇ?大人じゃん笑
you
そうですよ!?私だって今年もう18になるんですからっ!
足掻けば足掻くほど、何故か子供っぽくなってしまう私。
Jk
何か期待してそれ着てきた?
you
なっ…/////
悪魔みたいな笑顔で私を追い詰めるおっぱに、なんか反撃してやりたい。

いつもの私ならきっと、
「そんなことありませんっ!!」
とか言って、また笑われて終わりだから。

今日はおっぱの想定外を狙っていきたいの。

今この微笑みに怖気付いてたら、この先なんにもできないぞ!!
自分に言い聞かせながら、ごくんと息を呑んだ。

you
…そうですよ?
期待して、これ着てきたんです。
じっとおっぱの目を見つめて出方を伺う。

さぁ、私の渾身の一撃におっぱはどう対応する?
Jk
…あっそ。
じゃぁその"期待"とやらを見せてよ
you
見せ…?
見せるって…どういうこと?
Jk
俺を、誘惑してみ?
後ろに手をついたまま首を傾げ余裕そうに言うおっぱは、さっきよりも確実に悪魔感が増していた。

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