第35話

飛んだご飯粒
853
2021/03/15 10:00
部屋で夕飯を食べながら先程聞いた内容を頭の中でリプレイする。

おっぱが今特別に宿舎を空けられるのは、お父さんが警察の偉い人と仲良しだかららしい。

実家が嫌で出てきたのに、結局親の世話になってるって苦笑してた。

私みたいな高校生にしたら、自分の信念を持って家を出たおっぱは十分すぎる位素敵なんだけど。

そういうと、おっぱは少し照れ臭そうに笑っていた。
そんなにおっぱが出たくなる実家って、どんなご家族なんだろう。

警察の偉い人と知り合いとか、ぼっちゃんだとか、やっぱりあんな高そうな車や服を持ってるから…めちゃくちゃお金持ちなのかな。

今まで一緒にアパートで暮らしてたおっぱを目の前にすると、なんだか全く想像がつかなかった。

そこがまだ気になるけど、
それよりも気になることがーーー
you
ねぇおっぱ、お見合いってなに?
Jk
ブッ…
you
わ、きたない
ご飯を噴き出したおっぱにティッシュを渡すと、お前のせいと言わんばかりに睨まれた。
Jk
急になに…
you
ずっと気になってたの!
お茶を一口飲んでからふぅと息を吐いて、また食べ始めるおっぱ。


これは、また無視かな?

なんて思ってたら、ちゃんと教えてくれた。
Jk
お見合いさせられてたの。
やっぱすごいおぼっちゃまなんだ…

疑惑が確信に変わる。
you
ここによく来てたの?
Jk
ん〜親父がここ好きだから。
お見合いは毎回ここだった。
you
ふぅん…毎回ね…
意味あり気に感想を言うと、なんだよって目で見られる。
you
毎回って、何回?
Jk
んなの覚えてない。
you
覚えてないほどたくさんなんだ!?
私が目を見開いて
わーとかきゃーとか言ってると、早く食べろって怒られる。


今考えたら…おっぱはこんなにイケメンで、学生時代はきっとすんごいピカピカのおぼっちゃんで、絶対モテただろうな。

ていうか、お見合いとかしたなら絶対結婚までいくだろうに…

こんなに素敵な人がお見合い相手で現れたら、絶対みんな好きになるよね!?
Jk
あのさ…一人で百面相してないで早く食べて風呂行くぞ。
you
ブッ…
Jk
今度は私がご飯を噴き出して、無言でティッシュを渡される。
と思ったら、しっかり反撃された。
Jk
きたな。
you
だって、おっぱが急にお風呂とか言うから…!
Jk
え、なに?
もしかして一緒に入るとか思った?
you
思いませんっ!!!!
どこまで人をおちょくれば気が済むんだろう?

私は残ってたご飯をかけこんで、速やかに箸を置いた。
Jk
ごちそーさまでした
you
ごちそうさまでした!!
大浴場に行くとのことで準備をしてる私を、後ろの方で
"まだ〜?"
と焦らせるおっぱ。

何故こんなに時間がかかってるかと言うと…
鞄の奥に入れている私の手には、今あの袋が握られているから。

どうする?私。

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