第34話

お部屋
835
2021/03/14 10:00
和室の横の襖を開けると、大きなベッドが2つ並んでいた。

ダブルじゃなくツインだったことに何故かがっかりしたり安堵したり…ちぐはぐな感情になる。

またソア達の言葉が出てきてしまい、急いで掻き消した。

奥にあるもう一つのドアを開けると、小さな廊下が続いている。
you
部屋の中に廊下っ!?
どんな貴族よ…
1番奥のドアを開けると、夕暮れの中で
"カポーン"
と音がしそうな露天風呂が待っていた。
you
わぁぁぁぁ!!!!
こんなの目にする日がくるとは…

雰囲気たっぷりの露天風呂の奥には、夕陽に染まった海が見える。

私たちが話した海岸かな…

しばしその景色を楽しんだ後、急いでおっぱの元へと戻った。
you
おっぱおっぱ!!
Jk
…うるさ
you
ねぇ、露天風呂があったよ!?
Jk
あぁ…
you
反応薄くない!?
仰向けに寝て目を瞑りながら怠そうに答えるおっぱの横にいき、身体を揺らした。
you
すんごい綺麗だった!!
Jk
よかったですね〜?
完全に馬鹿にしてる…
you
もう!せっかく教えてあげてるのに!!
Jk
はぁ?この部屋誰が予約したと思ってんだよ。
you
あ…そっか…!
眉間に皺を寄せたおっぱが私を見た。
ぺろりと舌を出しておどけてみせると、チッと舌打ちが聞こえる。

ほんと態度悪いんだから…
Jk
夕飯まで寝る…
you
えぇ!?
せっかくなんだから起きててよ!
Jk
別に話すこともないし
you
私はあるっ!!
Jk
だよね、絶対無視してくると思った。

でも私はめげない!
you
ねぇおっぱ、おっぱってさ…
交番の警察官だよね?
Jk
you
おじいちゃんの家に住んでるけどさ…実家は?
Jk
私が何聞いても答えない。
これは寝たフリしてるやつだよね。
you
あの車…ぴっかぴかですんごい高そうだよね
Jk
you
この前着てたコートもさ…普段ほぼスウェットのおっぱぽくないんだけど?
Jk
こうなったら、私にだって考えがある。

目を瞑って寝たフリしてるおっぱの耳元で、吐息まじりにつぶやいた。
you
ぼ っ ち ゃ ん ♡
Jk
っ…
やっと目を開けてくれたおっぱ。
でも勿論その目は私をこれでもかという位睨んでいる。
you
ぼっちゃん、お見合…
Jk
それやめろ
you
でも、ぼ…
Jk
まじでやめろって
you
だって…!!!
しつこくやめない私の代わりに、おっぱの手が代わりに口を塞いだ。

肉厚の男の人の手が唇に当たる。

ドキドキもするんだけど、力が強すぎて苦しい…
you
んー!!
Jk
もう言わない?
こくこくと首を縦に振ると、やっと手が離れた。
you
っはぁ…苦しいですよ!!
Jk
人のことおちょくるから…自業自得。
you
だって、全然おっぱ答えてくれないんだもん。。
ほっぺを膨らませると、めんどくさそうに起き上がったおっぱが私の両頬を手で掴んだ。

ぎゅっと力を入れられると、ぷっと音をだしながらほっぺが凹む。

そのままぎゅうと潰されて、変な顔になった私を見て楽しそうに笑った。
Jk
はっ笑
you
もー、やめへー!!
しばらくそのままにされてやっと手が外れると、おっぱがあぐらをかいて向き合ってきた。
Jk
で、聞きたいことなに?
you
え…答えてくれるんですかっ!?
Jk
また勘違いされたら面倒。
you
とか言って…
本当は優しいんですよねぇ?
首を大袈裟に傾けておっぱを下から覗き込む。

私がおちょくったつもりだったのに、やっぱりおっぱの方が一枚うわてだ。
Jk
もう泣かせたくないから。
しっかり私を見つめながらほっぺを優しくつねるこの人に、しっかり心臓を鷲掴みにされた。

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