その後の私たちは、一週間みっちり勉強した。
いつも途中で投げ出すソジュンをソアが厳しく取り締まる。
私はおっぱとのデートを楽しみに、必死に頑張った。
食卓を囲んでの会話。
今日は久々に時間があって、二人で夕食を食べれる。
味噌汁をすすりながらおっぱが言った。
つい、お出かけをデートと言ってしまったけどおっぱは何も反応しない。
これはやっぱり、期待していいのでは!?
ルンルン気分でおっぱに問いかける。
質問の意味がわからなくて戸惑う。
おっぱも不思議そうにこちらを見ている。
どうやら二人の間に勘違いが生まれている模様。
え…それってつまり…
顔色一つ変えないおっぱに、やっぱり私はまだまだ子供だと降参した。
それを悟られまいと、必死に他の会話を探す。
そういえば…
おっぱのこと色々知りたいから、次落ち着いて話せる時に何かしら聞こうと決めていた。
なんとなくこれなら自然だろうと、家族の話を出す。
すぐに答えてくれるかと思ったのに、謎の沈黙が流れる。
おっぱを見ると、黙々と食事を口に運んでいた。
なんだろうこの返事は。
もっとこう、家族構成とかお母さんはどんな人で〜とか教えて欲しかったんですけど…
それが、"会わない"なのか
"合わない"なのか
私にはわからなかった。
でも、なんとなくこれ以上聞きにくい雰囲気だけは掴む。
少しだけ話を逸らすため、写真のことを思い出して問いかけてみた。
あれ?姉妹じゃなかったのかな…?
なんとなく写真を見たとは言いにくくて、謎に包まれたまま。
おじいさんのこととかも聞きたかったけど、家族の話はこれ以上しない方が良さそう。
もっとたくさんおっぱのことを知りたい気持ちもあるけれど、今日はとにかくデートの日程が決まったことが嬉しくて、これ以上何か求めるのはやめた。
抑えられないニヤニヤを隠すことなくおっぱに言う。
絶対何か毒づかれると思ったけど、聞こえた言葉は意外なものだった。
なんだか今日も、悶々として寝られなさそうです。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。