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第3話

『青』
30
2019/12/24 11:11
夏。

蝉の声がとてつもなく五月蝿い。
女の子
女の子
あっつぅーーい!!
学校の休み時間、後ろの席の女の子に言った。
女の子
女の子
ほんとにねー
こんな田舎だからクーラーなんてついてないし…
女の子
女の子
そう言えば告白成功したの?
女の子
女の子
やめて
ほんとに思い出させないで
女の子
女の子
………
女の子
女の子
そうだ、あと1時間だけだから帰りにアイスでも買っていこーやー
女の子
女の子
…ナイスアイデア!そうと決まれば頑張るぞー!



─帰り道


女の子
女の子
うはぁー生き返るー
女の子
女の子
だねー
暑くて何も考えたくない中、あることを考えていた。

''オレンジの女の子'' ちゃんが告白に失敗したこと。

私は…



─嬉しくて仕方なかった。



あの男に取られるかもしれないと考えると嫌で嫌で仕方なかった。最悪 ''オレンジの女の子'' を私の部屋に監禁しようかと考えていた。

でも、良かった。


おかえり、私だけの ''オレンジの女の子'' ちゃん。
女の子
女の子
ふふっ…
私が嬉しさを抑えきれず笑った。

それに気付いた ''オレンジの女の子'' ちゃんが「どうしたの?」と聞いてきたが、何にもないよ、と答えておいた。

もうすぐ夏休み、どんな楽しいことをしようかな。



そんな暑くて汗が滴るなか、私は早くもアイスを食べ終えてしまった。

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