第7話

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2021/12/24 11:48
あなたはどう出るだろう。
もはやこれで詰み・・・か。
心のどこかで賭けていた。
あなた

・・・っキライ

夏油傑
…ハハ・・・そうか。わかった…
私との関係はキミに任せるよ。
私には決める権利はないからね。
それでいいかい?
あなた

…別れたい…の?

夏油傑
う〜ん。…そう取られても仕方ないな。 
嫌われてしまったのなら
キミが…選択したらいい。
フラれるのも、嫌われるのも覚悟していた。
仕方のないことだ。
本音はあなたを失いたくはないんだが…
とはいえ
私も大人だ。
決めた道を理解して欲しいとは思わないさ。
あなた

ポロ …そんな簡単に・・・ポロ 簡単に 
嫌われようとしてる傑が、大ッキライ。

あなた

私に嫌われたくて、
そんな事したんじゃないでしょう?

夏油傑
ー・・・
あなた

あなたのした事は、良くないことだと思う。
でも ポロ それには意味があったんでしょ?
…助けた子だっているじゃない。 ポロポロ

あなた

グスッ あなたが全て正しいとは言わないけど…
けど、だったら ポロ それでも、胸張って
付いて来いて言われた方がマシだった!

夏油傑
…あなた…
あなた

何を、ポロ
何をそんなに怖がっているの?…
私が離れていくのがそんなに怖い?
そんな簡単に…グスッ
私を………諦めないでよポロポロ

正義ってなんだろうね。
マジメに一途に自分の置かれた立場を
純に進んで進んで来たただけなのにね。
それでしかなかったのにね。
真っ直ぐ歩いてる人ほど、
苦悩する時間が長いってさ、残酷だよね。
夏油傑
ー・・・フッ
あなた

グスッ・・付き合って言ったの、傑よ?
決める権利はない、なんて
カッコつけないでよ。ポロ

夏油傑
・・・
あなた

・・私が・・・
グスッ…簡単に別れると思う?

夏油傑
…(うつむく)フフ
あなた

…知り得てないじゃない?私を…フフ グスッ
私がいなくなったら、困るのは傑よ?

夏油傑
ハハッ………ん。そうだな…
(あなたに近寄り、涙を拭ってあげる)
私は、ウソがつけないんだ。
あなた

ポロポロ 好きなくせに(傑を見上げる)

傑に力いっぱい抱きしめられた。
傑の目が潤んでいる様にも見えた。

私があなたを大好きなのも、知ってるくせに。
夏油傑
…キミといて
後悔している事が1つあるんだ。
あなた

え?

夏油傑
キミは、気が強いんじゃない。
芯が強いんだ。
他人に譲ることを知っている強さがある。
あなた

…嫌いじゃないでしょ?

夏油傑
フフッ…どストライクだよ。
だから後悔してるんだ。
出会わなければ良かったなって。ハハハ
傑の犯した罪は、いつか罰せられる。
その時まで
自分がやれる事を精一杯やるだけだもんね。
あなた

私は
出会えて良かったって、思ってるよ。

夏油傑
フフ。素直だな。…ん、私もだ。
…愛しているんだ。あなたを。
ゆっくり唇が重なった。

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