少しずつ歯車が噛み合わなくなる。
ー集会所ー電話中
ピッ
あなたの能力が0になった事は気付いていた。
でも知らないフリをしている。
あなたが思い詰めているような様子があっても。
そんな話を私自身、簡単に割り切れずにいた。
生活の一部になったあなたを
消し去ることなんて考えた事がなかったんだ。
そうだよな。…矛盾してるよな。
分かってんだよ。そんな事。
ミミナナちゃんもこの春中学生になる。
私も就活が始まる。
少しずつ、ゆっくりと環境が変わって行く中
傑の周りにも人が増えていき
一国を築く教祖に変わりつつあった。
ー夕食ー
ー寝室ー
傑と二人の旅行が嬉しかった。
単純な私。
あなたの自由を取り上げたくなかったが
私の立場上、
非術師と長い時間一緒に居て欲しくなかった。
……………………………………………………………
傑と二人の旅行。
最後になるかもしれないと言う気持ちで
打ち明ける事にした。
その先は分からないけど。
行き先は傑の提案で2泊3日で沖縄になった。
ーある日ー
非術師嫌いが、エスカレートする。
胸が痛む。
傑を嫌いなわけじゃないのに、否定したくなる。
それは、私がただの猿だからそう思うのか
それとも、変わりつつある傑に
ついて行けなくなってしまったからなのか。
傑と一緒にいる以上は仕方のないことだけど
苦しい。
好きなのに、苦しい。
一緒にいたいのに、嫌いになりそうで…
怖い。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。