(どうしてだろう?この2人を見ていると不思議な
感情が沸いてくる)
なんだか懐かしい感じがした以前にもそう呼ばれてたような気がし、それから夜になり古ぼけた納屋を寝床に決め彼奴らは2人きりで話しがしたいからと外へ出て行き俺は独りでここにいる。
(あの2人なにか問題を抱えているのか?)
でも羨ましかった、あんなにも互いを思い合える男同士の友情が「俺にもそんな友達がいたら…」ふとそう思ったとき。
その声は、自分の中から聞こえて来る。
(あっ、その名)
言われて気づく目の前の木箱の上にある【それ】を、しかし「そんなこと出来るわけがない」そう
躊躇しているとボワッと真上に大角という人の姿
が現れ。
(知りたいさ自分が何者なのかを)
促されるまま俺は意を決して【それ】を割り、途端そこから光りが放ち。
眩しさに眼を細めている自分の耳に聞こえて来たのは。
(藤ヶ谷?それって確か)
(宮舘?佐久…間)
(この声?)
(どこかで聞いた事があるような)
(レッ…スン‥場?)
(玉森?千賀?二階堂?宮田)
その声を聞いていたら自然と目から涙が溢れ出る。
沸き上がってくる想い、それは懐かしさにも似た
今にもそこへ飛び込んで叫びたくなるような衝動
に駈られ。
そのとき俺の中で何かが弾け飛ぶ「そうだ俺の名は横尾渉そしてあの声は」その瞬間、口から声が出ていたんだ。
ピカッと光が増したと同時に犬村大角の髑髏から
飛び出た玉、そこに浮かび上がった文字は【礼】
それは摩訶不思議な出来事だったんだ、しかし俺達は確かに繋がっていた。
その強い絆でー
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!