月の道の扉の前に来てから、どのくらい経ったのだろう?疲れていたせいか睡魔が襲って来てウトウトしていたそのとき、ピカッと物凄い光りが放ち。
思わず俺は眩しさに眼を背け…
が、信乃の声で手をかざし光を遮りながらその方向を見ると。
輝くばかりの黄金の道が、視界に飛び込んで来て。
(すっげぇーっ、想像以上の光景に言葉が出ない)
(良かった、ふっ)
(それって、つまり戻って来れるかもしれないって
こと?)
(よし)
俺は前を向き自分が行こうとしている先を見つめた指には宏光の指輪が、その手をギュッと握りしめ、ゆっくりと足を踏み入れて行く。
月の道の両脇の壁は、まるで天空の星が全て瞬いているかの如く光り輝いていて。
この奥にはきっと浜路姫が待っている、そして宏光が向こうへ引き込まれた連中を1人ずつこっちへと戻すはずだ。
それから、最後に玉梓が封印された瞬間が勝負。
(俺が、お前をこっちへ引き戻すから安心して戦え
宏光)
「月の道、どこまでもついて来る長い影、憂鬱も
つれてくよ明日にLaLaLaLa~ここに届く光りより
僕達が輝く場所、そっと胸に抱きしめて月の道を
歩こう」
不思議なんだけど俺の耳には確かに聞こえていたんだ宏光たちの歌声が…
「星の空を見上げて囁いたあのメロディー優しさだけを真実に月の道を歩こう希望の歌、愛の歌を月の道で歌おう」
それを聞いていると勇気が湧いて来る俺達はいつも一緒だ、どんなに離れていても心は寄り添っているんだってその歌は俺にそう言ってくれているみたいで何度も何回も繰り返し耳に響き。
もうすぐ最後の激戦が始まるー
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!