(うっわマジでか、どうして今日に限って藤ヶ谷となんだわ)
(はぁ~参った…)
グイッとタマに、連行されてくニカ。
(んっ?なんのこと)
ぶつぶつ呟きながら気がつけば2人きり窓際の椅子に座り本を読んでいる藤ヶ谷。
(んー絵になる、んふふっ)
その視線がチラッと俺を見て、ニコッと微笑んだ。
(なっ、なに!?いきなり)
返事に困っていると、次に藤ヶ谷は。
ドサッと俺の隣に腰を掛け、漂う甘い香り「トックン、トックン」心臓が音を立て高鳴り始める。
と、そのとき扉が開き。
ガチャ、バタン!
遠い遠い昔の記憶のように俺は、このあと藤ヶ谷のこのときの笑顔を思い出す事となる。
見知らぬ土地の見知らぬ場所で…
そう数時間後に俺達は、いや俺は見も知らぬ荒野に独りでいたんだ。
過去の世界のー
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。