第20話
自分の役割③千賀side
ミツが消えた、俺は慌てて泉へ行き水の中を覗き
込む。
(そんなこと言ったって)
(迷っているんだ?悩んでいるんだろ?当たり前さ
2人とも大切な仲間、メンバーだタマの所へ行くかミツを捜しに行くか俺だってどっちを優先していいのか分からない、本当は「今すぐにでもミツを捜しに行きたい」お前そう思っているんじゃない?)
けど…
俺と二カは気を取り直し前を向いて歩き出す「今は自分たちが出来ることをしよう」それしかないと、そう思い。
それからニカはミツの話をしなくなる、けれど時々空を見上げ遠い眼をしていたっけ。
きっと俺と会う前に2人で過ごした頃のことを思い出していたんだろう、だからそんな時は邪魔しないよう黙ってそっとしておいたんだ。
ニカが、どれだけミツを思い慕っているか俺はよく知っていたから。
人って、どんなに仲が良くても突っ込まれたくない覗かれたくない部分があるもの超えては行けない線は、そっと見守っているに越した事はない。
2人の間に居心地いい空間を作れるかは、お互い
そんな気遣いが出来るか出来ないかじゃないかと
俺は思う。
特に、こいつは自分の中を土足で踏み荒らされるのが嫌なやつだし。
でも俺だって大好きなんだニカのこと、いざという時には頼って欲しい相棒なんだから。
ふと、ニカの言葉を思い出し心の中で呟く。
(それって、あのとき受けた刀傷のこと?)
(それが、どうしたっていうんだよ?)
あれこれ考えていたらニカが目的地に到着したことを教えてくれた。
その言葉に屋敷を見上げると…
けれど、それでも俺達はやらなければならないんだ中にいるはずのタマや独りで何処かにいるミツの為に。
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