俺が、そこへ着いたとき。
まず最初に聞こえたのがニカの悲痛な叫び声だった「まさか!」慌てて向かうと目の前には地面に打ちひしがれ泣き崩れている廉の姿が。
ぐったりしたミツを抱きしめ眼にいっぱい涙を溜めながら悔しそうに歯を食いしばっているガヤさん。
傷だらけの身体を引きずりながら這うようにし傍へ行こうとする横尾さんを必死で止めている宮田。
ゝ大法師と睨み合っているニカ俺はその光景に言葉を失ってしまう。
そのとき、伏姫の言葉が脳裏を過ぎる。
(そうだ、手鏡!)
けど向こうの連中と繋がって、その後どうすれば
いいのか分からなければ意味がない。
(光り?この声は伏姫)
(そうか、ミツの心に呼び掛けろって事なんだな)
「分かった、やってみるよ」と、そこへタマが到着し。
俺は、急ぎ向こうにいる皆へ声を掛けたんだ。
そう呼ぶと。
(お前ら…)
(塚ちゃん)
コクンと頷いたタマに背を向け見えた先には相棒、二階堂高嗣の姿が。
キーン、カーン、俺達は戦う「だからミツ、戻って来て待っているから」キーンカーン刃は光りを放ち俺と二カは互いに協力し合いゝ大法師と刀を交えた自分たちの絆を信じて。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!