佐久間は、唐突に俺に言ったんだ。
協力してくれたのは平野紫耀、れんれんを捜す手掛かりを見つけるべく俺達は紫耀が持っている合鍵で中へと入り。
でも実際に俺と佐久間、塚ちゃんが探していたのは向こうの世界と通信が出来るもの。
(繋がるものねぇ~れんれんって玉森くんと仲が良かったよね、んー)
そう、考えあぐねていたとき。
(ネックレス?そうか、それかもしれない)
しかし…
(なっ、トッツー!?)
何故だかトッツーが奪って行っちゃって仕方がない別のものを探すとするか「なんだろう?宮田くんと佐久間、塚ちゃんを繋げた物はグッズ…って事は」
(ちょっと違う気がする)
(佐久間って何を目安に探しているんだろ?れんれんの物って言ったらある物すべてがそうじゃん、ここは彼奴の家なんだから、ははっ)
(やっぱり分からない…)
が、そんな俺達を尻目に自分らと同じ目的で真剣に物色している連中がいたことを俺達は知らないでいた。
そういう俺もこっそりブレスレットを手にしていたんだけどね、そんな中のんきに焼肉屋へ行く話をしている塚ちゃんと佐久間。
(大丈夫かな?急がなくていいんですかね)
向こうとこっちでは進む時間の速さが違う、見知らぬ土地で頑張っているキスマイさんたちに早く朗報を知らせてあげないと。
けど俺達は誰も気づいていなかったんだ、独り取り残された紫耀が…
そして、その頃…トッツーたちも。
・薮side
俺達は、それぞれが持ち帰った物が向こうの世界へ繋がる物かどうか確かめるべくトッツーの家に集まっていた。
ただ、宮近と一緒に如恵留が来てしまったことは
想定外ではあったけど仕方がない理由もなく独り
追い返すわけにもいかなかったから。
「いくらなんでも、それは無理」ボケてる宮近に
突っ込みたくもなったけど今は構っている暇など
ない。
テーブルの上にはトッツーが持って来たネックレスと俺が持って来たキーホルダーそれに宮近のシルバーのバングルが、それをひたすら見つめ続け。
すると…
光ったのは二階堂のハットで、しかし返事がない
まま1時間が経過し。
堪忍袋の緒が切れたかのごとく如恵留が叫び声を
上げ。
俺達は、今まであった出来事を如恵留に話して聞かせる。
すると、何故だか如恵留は自分がしている腕時計を見つめ。
呟いた、とたんにピカーッとそれは光を放ち。
瞬時に、驚いたような千賀の声が部屋中に響き
渡り。
「奇跡は起きる」そう信じさせてくれる、あいつらはいつも。
それを聞き「切ない想いをしているんだ」そう、
やるせない気持ちになる。
(行方不明!?なんで、どうしてそうなる?お前ら、
いったい何をやっていたんだよ!だいいち怪我を
しているだなんて聞いてない)
初めて聞く話しに俺もトッツー、その場にいた全員が声も出さず茫然としていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。