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第43話

人の心の闇②北山side→横尾side
北山
はっ、なに!?


俺は、何かを感じ取ったかのような不思議な空気感の中で目を覚ます。

北山
夢…か?


「風が哀しそうに吹いていた」そんな気がし、ふと心の中でやな予感か過り。

しかし、それとは別にトッツーや薮・宮近たちと久々に話せたことが自分の中で活力となり希望を
見出だしていたことも確かで。

知らないうちに佐久間や翔太・如恵留・塚ちゃんまでが繋がっていたこと、タマと千賀が行動を共にし永瀬と出くわして安房にいるらしいなど例の「里見八犬伝」の生地だ。

宮田は、今は連絡が取れていないと佐久間が言っていたがニカと合流できていると聞く。

(あとは横尾さんか、みんな無事に出会えたらいいんだけどな)

ガサガサッ、そのとき草むらを掻き分ける音がし。

(藤ヶ谷?)

時々あいつの気配を後ろで感じていた何処から着いて来たのかは知らないが結局、同じなん仲間を見捨てるなんて俺らには出来ないんだから。

それでも気づかないふりをして旅を続け、ある村へと辿り着く。

北山
ここは!?いったい何があったって
いうんで?


村には人っ子ひとりいなく、まるで廃墟と化し…と、突然!?

みんなの仇、覚悟


キーン、カーン!後ろから誰かに襲われ咄嗟に刀を抜き応戦したが。

北山
なんだ!てめぇ~おっ…ま


その顔を見て、俺は愕然としてしまう。

横尾
くっ、ハァハァハァ
北山
横尾…さん?
横尾
お前が、お前がみんなを殺したぁーっ
北山
なに…言っている‥んだよ?
横尾
みんなを~くっ


キーン、カーン!有無を言わさず刀を撃ちつけて
来る横尾さん。

北山
よせ、やめろ
横尾
絶対、絶対に許さない
北山
横尾おぉーっ


キーン、カーン!

北山
お前…ハァハァハァ、俺が‥分からないのか…くっ
横尾
俺の名は犬村大角、父上の仇、覚悟!
北山
父上っ…て


キーン、カーン!

北山
お前は…ここの人間じゃ…ないだろ
横尾
そうだ、けど父上はそんな俺を息子にしてくれた、なのにそれをお前が
北山
俺は何もしていない、ここに来たのも初めてだ
横尾
嘘をつくな、その顔
北山
んっ?
横尾
年齢不詳でいくつだか分からない
北山
はあっ?


(んまぁ~よく言われるけど、ははっ)

横尾
だから、見たら絶対に忘れない


(有り難いような有り難くないような…)

横尾
言い逃れは無用、いざ勝負!タァーッ


カーン、キーン!

(やめてくれ頼む横尾さん俺たち今は戦っている場合じゃねんだ)

けど横尾はまったく退こうとはせず「くっ、どうしたら」相手が相手だけに困惑し襲って来る刃をふせぐのが精一杯で。

キーン、カーン!お互い体力の限界ギリギリまで
来た、そのとき。

藤ヶ谷
北山、こっちだ早く
北山
藤ヶ谷!?


それまで何処かで見ていたのだろう、いきなり俺の手を掴むと走り出し。

横尾
逃げるのか卑怯もの


俺達は、後ろを振り向くことなく走り続ける。

横尾
だが必ず、また見つけ出してみせる
待っていろ


その悔しそうな声が遠退いていき…

「何故だ?どうして俺を憎む」こんな再会を望んでいたわけじゃなかった。

(いったい何が俺達を惑わしているっていうんだよ闇?なら俺はそいつらを叩っ斬る、お前ら全員を
もとの世界へ戻すため)

腕を引く藤ヶ谷の手は温かく俺の心を癒してくれた。




・横尾side

(くっそ…やっと会えたのにこの日の為に慣れない
剣の腕を磨き、それが未遂に終わるとは)

父上と初めて会ったのはここから少し離れた野原みたいなところ自分が誰だかも分からず途方に暮れていた俺に優しく声を掛けてくれ村人達も温かく迎え入れてくれた。

だから記憶がなくても幸せな毎日を過ごす事ができたんだ俺はとても感謝していたのに、あの日が来るまでは。

うわあぁ
化け猫が
助けてくれ~


(なに、何が起きた?)

化け猫
ぐわあぁ
いやあぁ~


それは、突然の出来事だった。

一角
大角ここにいろ外へ出るんじゃない、いいな
横尾
父上!


外の騒ぎに正義感の強い父上は、すぐさま飛び
出し。

化け猫
ふぎゃああ
きゃあぁ
化け猫
ふぎぃ~
やめてくれ頼む、うわあぁ


俺の耳には獣のような鳴き声と、人の叫ぶ声が交互に聞こえ。

一角
この化け猫め
化け猫
ふっぎゃああぁ
一角
くっ、何を
化け猫
ぎゃあぁ、ぐああっ
一角
うわああーっ


(まさか!)

横尾
父上えぇ~


慌てて飛び出したら目の前には沢山の村人たちの
屍が、そこに。

一角
だっ…大角‥うぐっ…逃げろ‥お前の…
かなう‥相手では…ない
横尾
父上、父上!


こと切れた父上を見て茫然としている俺の前で彼奴は、あの化け猫は平然とその姿を人の形へと変え。

横尾
お前が皆を父上を殺したのか


睨みつける俺を見下したかのように、ニヤッと怪しい笑みを浮かべ。

化け猫
いつでも掛かって来い待っていて
やるぞ


そう言って立ち去り「だから絶対にらその顔を忘れない俺は奴をあの化け猫を必ず倒してみせる」

(しかし、すっかり人間の顔をしやがって逃げるとは卑怯な奴あの途中から飛び出て来たやつも仲間か?なら彼奴も許さない)

玉梓
ふふふ、憎め憎むのだ、さすればお前も我らの仲間


このとき俺は負の声に支配されているとは気づきもせず自分はこの世界の人間だと思い込んでいた、まさかその感覚すら操られていたものだったなんて。

(ごめん太輔、ミツ)

けど正気に戻ったとき俺を見つめた優しいミツの瞳「温かったなぁ」だから今度は俺が助ける番だ。

必ず、一緒に連れて帰るから。




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朱桜
朱桜
歴は10年を越えカッコ可愛い最年長が大好き“これからもずっと見続けていたい”そんな大切な存在だから想いの全てを物語に紡いでいます。 私が描く作品は絶対にKiさんは右で、その隣にいるのはFさん。 同じような気持ちをお持ちの皆さん、一緒に彼らの世界で浸りませんか。 宜しくお願いします―
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