(俺を見つめる宮田の瞳、分かっている今お前めっ
ちゃ怒っているだろ)
そう言うと、真っ直ぐに俺の前までやって来て。
俺はジーッと、その顔を見つめ。
(ありがとう宮田お前なら分かってくれると信じていた、たがもし約束を守れなかったら悪い俺も精一杯頑張るけどメンバーに嘘つき呼ばわりはされたくないから)
「でも、それでもダメだったら」
俺はこっちへ向かってくる藤ヶ谷へ視線を向け心の中で語り掛ける。
(あいつらのことを頼む横尾さんと2人で支えてやってくれ大丈夫お前になら出来るよ、なんてったってお前は俺の唯一たった1人の相棒なんだから)
俺達は奥へと進んて行く、そこにどんな試練が待ち構えていようとも自分達の足で希望ある未来を切り開くため。
・宮田side
俺は、歩きながらガヤさんが言っていた言葉を思い出していた。
「この先、辛いことが待ち受けている」
(自分にとっての辛いこと、それは大好きなキタミツを失うこと他に何があるっていうのさ?)
(だが、この2人どうして呑気に話しなんかしていられるんだろう?)
(笑ったな後で覚えていろ、ハッ、あとで俺達に後はあるのか?なっ、なにバカなことを考えているんだ)
どうしてもマイナス思考になってしまう自分がいる、するとガヤさんが。
何かを見つけたらしく庭の方を指さし声を上げ。
キタミツにそう言われ暗闇の中、目を凝らしよーく見つめると。
確かめたくって、そこを目指し走った。
突然のことに驚いた2人が後ろから叫んだが、そんなの構ってなんかいられない。
(だって、あれは…)
そして見慣れたそれを目の当たりにしガクッと肩の力を落とす。
後から来た北やんとガヤさんに言われ「ここは…」俺が話し掛けたとき。
あのとき、死んだはずの尼が姿を現し。
(そんなわけない、みんな死んだんだ)
(これはどういう?まさか)
後ろを振り返り2人の顔を見ると北やんもガヤさんも険しい表情をしている。
(こいつらが俺の相手!?)
俺の前で変わらぬ無邪気な顔をし、笑い掛けてくるこの子達を。
そう言うと子供たちは持っていた小刀を一斉に俺の方へ向け。
ジワジワと近づいて来る。
北やんが叫んだ。
(そんなこと言ったって無理だよガヤさん俺には斬れない、くっ)
両膝をガクッと地面に付き崩れるように座り込む、そんな俺の周りを子供たちが取り囲み。
(死ぬのか?俺)
「こんな所で…ふっ、情けない」そう思ったとき。
キタミツの言葉にハッと我に返る、同時に刀が振り下ろされ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。