第134話

最終決戦⑩北山side→宮田side
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2020/01/21 01:09
(俺を見つめる宮田の瞳、分かっている今お前めっ
ちゃ怒っているだろ)

宮田
ガヤさん、もう降りてもいい?
藤ヶ谷
あぁ


そう言うと、真っ直ぐに俺の前までやって来て。

宮田
どうしてだなんて聞かない、けど俺
キタミツと一緒じゃなきゃ帰らない
からタマと約束したんだ
北山
ふっ、そ
宮田
じゃいいの?


俺はジーッと、その顔を見つめ。

北山
んなわけないじゃん
宮田
北やん
北山
もう変えることなんか出来ないんだ
始まってしまったんだから
宮田
でも
北山
このまま行くしかない、じゃなきゃ
玉梓は倒せやしない
宮田
くっ、どうしても?
北山
あぁ
宮田
2人はこれからどうなるの?
北山
藤ヶ谷なら帰れる
宮田
えっ、まさか独りで戦うつもり!?
北山
しッ、あいつがこっちへ来る
宮田
内緒にしているわけ?
北山
俺を信じ、このままやらせてくれ
宮田
絶対に帰って来る?
北山
あぁ
宮田
嘘つかないでよ
北山
分かっているって
宮田
はぁ、北やんの強情っ張りが
北山
仕方ないじゃん性分なんだから、ふっ


(ありがとう宮田お前なら分かってくれると信じていた、たがもし約束を守れなかったら悪い俺も精一杯頑張るけどメンバーに嘘つき呼ばわりはされたくないから)

「でも、それでもダメだったら」

俺はこっちへ向かってくる藤ヶ谷へ視線を向け心の中で語り掛ける。

(あいつらのことを頼む横尾さんと2人で支えてやってくれ大丈夫お前になら出来るよ、なんてったってお前は俺の唯一たった1人の相棒なんだから)

藤ヶ谷
話しは終わった?
北山
あぁ、いつでも先へ進める
藤ヶ谷
みや、これからお前には辛いことが
待ち受けている、けど俺らは乗りき
れると信じているから
宮田
ガヤさん
北山
行くぞ


俺達は奥へと進んて行く、そこにどんな試練が待ち構えていようとも自分達の足で希望ある未来を切り開くため。





・宮田side

俺は、歩きながらガヤさんが言っていた言葉を思い出していた。

「この先、辛いことが待ち受けている」

(自分にとっての辛いこと、それは大好きなキタミツを失うこと他に何があるっていうのさ?)

藤ヶ谷
静かだな
北山
あぁ、不気味なくらい
藤ヶ谷
しかし広い屋敷だ城と言った方が
いいんじゃない
北山
昔はそうだったらしい
藤ヶ谷
どうりで


(だが、この2人どうして呑気に話しなんかしていられるんだろう?)

北山
宮田、なに心気臭い顔しているんで?
藤ヶ谷
らしくない
宮田
いくら俺でも、こんな雰囲気の場所でハシャげるか
北山
ガハハッ、やったらすげぇよ
藤ヶ谷
誉めてやるな
宮田
嬉しくない
北山
クククッ


(笑ったな後で覚えていろ、ハッ、あとで俺達に後はあるのか?なっ、なにバカなことを考えているんだ)

どうしてもマイナス思考になってしまう自分がいる、するとガヤさんが。

藤ヶ谷
あれは、なに?


何かを見つけたらしく庭の方を指さし声を上げ。

北山
離れみたいなもん?宮田はどう思う


キタミツにそう言われ暗闇の中、目を凝らしよーく見つめると。

宮田
えっ
北山
どうしたんだ?
宮田
なんで、ここにあるんだよ
藤ヶ谷
みや?
宮田
おかしいじゃん!
北山
おい


確かめたくって、そこを目指し走った。

藤ヶ谷
待つんだ、みや


突然のことに驚いた2人が後ろから叫んだが、そんなの構ってなんかいられない。

(だって、あれは…)

宮田
マジかよ~


そして見慣れたそれを目の当たりにしガクッと肩の力を落とす。

北山
お前どうしたっていうんで?
藤ヶ谷
俺達にも分かるように説明しな


後から来た北やんとガヤさんに言われ「ここは…」俺が話し掛けたとき。

お帰りなさい道節さま、お待ちして
いました
宮田
おっ…ま!?


あのとき、死んだはずの尼が姿を現し。

どうしたのです?子供たちも待ち
かねています、ささ中へ


(そんなわけない、みんな死んだんだ)

子供
道節のおじちゃん
子供
ホントだ、わ~い戻って来て
くれたんだね
子供
寂しかったよぉ


(これはどういう?まさか)

後ろを振り返り2人の顔を見ると北やんもガヤさんも険しい表情をしている。

(こいつらが俺の相手!?)

藤ヶ谷
みや
宮田
ふふふっ、ハハハッ、ふざけんじゃ
ないよ!
藤ヶ谷
落ち着けって
宮田
斬れって言うわけ!


俺の前で変わらぬ無邪気な顔をし、笑い掛けてくるこの子達を。

子供
僕たちね、ずっと待っていたんだよ
子供
綺麗な人が、ここにいれば道節の
おじちゃんに会えるって言うから
子供
会ったら、これで刺せばいいって
言われたんだ
子供
そしたら仲間になって二度と離れ
ばなれにはならないって


そう言うと子供たちは持っていた小刀を一斉に俺の方へ向け。

子供
おじちゃん僕たちからのお願い
子供
ずっと一緒にいて
子供
最初は痛いけど、すぐ楽になれるから
宮田
くっ、お前ら


ジワジワと近づいて来る。

北山
宮田お前、何をやっているんだ


北やんが叫んだ。

藤ヶ谷
惑わされるんじゃない


(そんなこと言ったって無理だよガヤさん俺には斬れない、くっ)

両膝をガクッと地面に付き崩れるように座り込む、そんな俺の周りを子供たちが取り囲み。

さぁ、みんな犬を刺すのです

(死ぬのか?俺)

藤ヶ谷
みや、しっかりしろ!


「こんな所で…ふっ、情けない」そう思ったとき。

北山
てめぇ~いい加減にしろ、お前が死んだらタマはどうなる!


キタミツの言葉にハッと我に返る、同時に刀が振り下ろされ。




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