第108話

記憶の破片②薮side→横尾side
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2019/12/14 02:12
俺と信乃は、楽屋口へと来ていた。

信乃
ここに大角の気配を感じる
えっ、でも横尾さんは
信乃
確かだ詳細は分からぬが一緒にいた
という者と離れて来た様子


(Jr.の子達が見たという雷雲と、何か関係があるのだろうか?)

と、そのときピカッと光が放ち。

あっ、あれは!そうかやっぱりここで


道の向こうから、なんだか俯き加減で歩いて来る姿が見え。

横尾
まったく太輔ったら気になるんだったら自分で行けばいいのに


(あはっ…)

ぶつぶつと呟きながらどんどん近づいて、その先には光のトンネルが。

おっ、おい前をって横尾さん


そのまま中へと入って行き「えぇーっ!?マジで」

信乃
あの者は何を言っていたのだ?
あ、まぁ気にしなくていいから先へ
進もう…ハハッ
信乃
ん??


今度はそこから再び楽屋の方へと向かい、すると
廊下の先に。

(えっ、千賀!?どうしてここに?)

千賀
まったく翔太ったら人を呼び出して
おいてそれはないだろ


(来ていたんだ、あはっ)

信乃
薮殿、あそこに


信乃の声で窓を見たら、そこに例の光るトンネルがあり。

千賀
ん?なんだ、これは


千賀は興味津々で、穴へ手を入れたり出したりしている。

千賀
うっひょ~面白い手が入るって事は
中へも入れるってこと?


(へっ?お前もっと警戒心をもてよ)

だけどそのまま自分から光のトンネルの中へ入り
消えてしまう、信乃も俺もそれを見て出る言葉が
なく取り合えず他の場所へと行くことにしたんだ。

残るは宮田と玉森それに藤ヶ谷と宏光、全てを回ったら月の道へ行けると信じて俺達は先を急ぐ。




・横尾side

「んっ?なに、この夢」俺は何故だかNHKの楽屋へ向かっていた。

横尾
まったく太輔ったら気になるんだったら自分で行けばいいのに


(思い出した、あのときの)

横尾
いいの?太輔
藤ヶ谷
仕方ないよ後輩からの頼み断れないし
横尾
‥‥‥


スマホに七五三掛から電話が掛かって来て、ミツとの話す機会を失ってしまった太輔は。

横尾
どうやらNHKホールに行ったみたい
藤ヶ谷
ふーん、あっシメちゃん収録が終わったら


後になって裕太が教えてくれたけど、俺の言葉にはガンスルーをし。

藤ヶ谷
ほら行くよワタ


俺達は渋谷へとやって来たんだ、そしたら「ゴロゴロゴロ、ピカァーバァーン、ゴロォードッカーン!」

藤ヶ谷
うわっ、凄い!?
横尾
今のって絶対どこかに落ちたって気がしない?
藤ヶ谷
あぁ


突然の雷雲、鳴り響いた雷に空を見上げた太輔の顔が曇り。

藤ヶ谷
あれってNHKの方角だよね?
横尾
確かに、ニカたち大丈夫かな
藤ヶ谷
ワタ、頼みがあるんだけど
横尾
ん?なに


とたん、やな予感がし案の定。

藤ヶ谷
見てきてくれない
横尾
はっ?


(ほら、やっぱり)

藤ヶ谷
シメちゃんが心配だから
横尾
ん~分かった


(七五三掛じゃなくミツがでしょ?素直じゃないなぁ~まったく)

藤ヶ谷
Thank Youワタ、頼りになるぅ
横尾
どう致しまして、ハハッ


(自分で行けばミツもそこにいるのに、はぁ…)

横尾
世話がやけるよ2人とも


ブツブツぶつぶつ呟きながら俺は楽屋口へと入ったはず…だった、しかし。

(あれあれ?)

目の前に広がった光景は、古い民家が立ち並ぶ畑だらけの場所で。

横尾
ここは何処?


それも、かなり昔の。

(そうか!こっちへ来たときの夢、あはっ、笑っちゃう俺は自分でも気づかぬうちに時空を超えていたってわけか)

そして…

一角
どうだ、ここで私と一緒に
暮らさぬか?


父上と出会い今に至る「これは何かの暗示?」そう思わずにはいられないほどリアルな夢だった。




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