俺と信乃は、楽屋口へと来ていた。
(Jr.の子達が見たという雷雲と、何か関係があるのだろうか?)
と、そのときピカッと光が放ち。
道の向こうから、なんだか俯き加減で歩いて来る姿が見え。
(あはっ…)
ぶつぶつと呟きながらどんどん近づいて、その先には光のトンネルが。
そのまま中へと入って行き「えぇーっ!?マジで」
今度はそこから再び楽屋の方へと向かい、すると
廊下の先に。
(えっ、千賀!?どうしてここに?)
(来ていたんだ、あはっ)
信乃の声で窓を見たら、そこに例の光るトンネルがあり。
千賀は興味津々で、穴へ手を入れたり出したりしている。
(へっ?お前もっと警戒心をもてよ)
だけどそのまま自分から光のトンネルの中へ入り
消えてしまう、信乃も俺もそれを見て出る言葉が
なく取り合えず他の場所へと行くことにしたんだ。
残るは宮田と玉森それに藤ヶ谷と宏光、全てを回ったら月の道へ行けると信じて俺達は先を急ぐ。
・横尾side
「んっ?なに、この夢」俺は何故だかNHKの楽屋へ向かっていた。
(思い出した、あのときの)
スマホに七五三掛から電話が掛かって来て、ミツとの話す機会を失ってしまった太輔は。
後になって裕太が教えてくれたけど、俺の言葉にはガンスルーをし。
俺達は渋谷へとやって来たんだ、そしたら「ゴロゴロゴロ、ピカァーバァーン、ゴロォードッカーン!」
突然の雷雲、鳴り響いた雷に空を見上げた太輔の顔が曇り。
とたん、やな予感がし案の定。
(ほら、やっぱり)
(七五三掛じゃなくミツがでしょ?素直じゃないなぁ~まったく)
(自分で行けばミツもそこにいるのに、はぁ…)
ブツブツぶつぶつ呟きながら俺は楽屋口へと入ったはず…だった、しかし。
(あれあれ?)
目の前に広がった光景は、古い民家が立ち並ぶ畑だらけの場所で。
それも、かなり昔の。
(そうか!こっちへ来たときの夢、あはっ、笑っちゃう俺は自分でも気づかぬうちに時空を超えていたってわけか)
そして…
父上と出会い今に至る「これは何かの暗示?」そう思わずにはいられないほどリアルな夢だった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!