第49話
俺はまた、こいつと一緒にいる。
(頑固なやつ、ふっ)
が、お互い何も言わなくても俺逹には通じ合うものがあった、だから。
言葉数が少ないのは相手への思いやり、それも分かっている。
(しかし、なんで横尾さんはあんなふうになってしまったんだろう藤ヶ谷は気にはならないのかな?仲が良かったのによ)
歩きながら考えていると…
こいつが、とつぜん話し掛けて来て。
(だったら俺は)
俺らは、その山へ向かうことにし暫く進むと。
(横尾さんだとでも言いたいわけか、藤ヶ谷お前なにを知っている?)
(まっ、いい…どうせお前も自分が記憶喪失でない事を俺が気がついているのを分かっているんだろうし。それでもフリをし続けているのは、あのことを知られたくないからか?俺は全然平気なんだけどな)
お前がまた現れたとき、その意思をしっかりと受け止めた。
「傍にいて護る、藤ヶ谷お前そう思っているんじゃない?」それは何があっても変わらない強い意志、ならちゃんと受け止めてやらないと。
(けど、ただ護られているのは性に合わないんだ俺もお前を護らせてもらう、いいだろ?だから俺のために身を投げ出そうだなんて思うんじゃない顔に出てるわ、そんなことをしたら絶対に許さないからな。あと、ちゃんと着いて来てるか?横尾さん)
俺は、後方にいるだろう影に心の中で呟く「お前の本当の仇を俺らがこれから引きずり出してやる」
その山は静かにそびえ立っているが、漂う雰囲気は奇しい空気をかもし出していた。
「前へ進むこと」それは困難に打ち勝ち何かを得ること、そして何事にも逃げない強さを持つこと。
(掛かって来い、もののけ。てめぇらなんかに俺逹は負けたりはしない、それを今から証明してやる)
俺と藤ヶ谷はそれぞれの想いを胸に秘め、そこへと足を踏み入れて行ったんだ。
・横尾side
あれから化け猫が潜んでいる山を教えてもらった
俺は、そこへと向かっていた。
すると奴をその近くで見かけ…
(あのときの男も一緒かって事は思った通り仲間だったんだな山へ戻るのか?なら隙を見て2人ともやっつけてやる俺は絶対にもののけを許すわけにはいかないんだ、あんな非道なやつら)
後をつけ、しばらく進むと木々が覆い茂った場所へと出て。
(なんだここ?骸骨がいっぱいだ彼奴こんなに人を
喰っていたのか)
「ふぎゃあ~」
(はっ、この鳴き声は)
ガサガサガサ!
(くっそ~いつの間に周りへ、ちゃんと見ていたはずなのにどうして?)
ザザザァ―
(何処だ、どこにいる?)
「ぎゃあぁーっ」
(いた、木の上)
頭上を飛ぶ化け猫に刀を構える。
が、身体の上にのしかかられ絶体絶命に。
その物凄い形相が顔面のすぐ目の前まで迫って来たそのとき、ピューッと1本の矢が何処からともなく飛んで来て化け猫の眼に突き刺さり。
バッ、ガサガサ、ガサッ!その姿は山の中へと消えて行き俺は難を逃れることが出来る。
ガサッ!
そして草むらを踏み締める足音に後ろを振り向いたら、そこには思いも掛けない奴の姿があったんだ。
すくっと弓矢を構える姿は凛々しくキリッとした
表情で俺を見つめ、今でも「この時もし化け猫に
1ヶ所でも傷つけけられていたら」そう思うだけ
でゾッとする俺はミツみたいに耐えられる自信が
ないから。
「感謝している有り難う」それから俺達は同じ道へと進むことができた、少なくとも俺はそう思っていた。2人は違っていたのか?だとしてもミツも大輔も自分にとっては大切な仲間、3人で過ごした日々をけして忘れはしない。
いつまでも、ずっと。
2人のユーザーが応援しています
作者を応援しましょう
シェア&お気に入りしよう!
この作品をお気に入りに追加して、更新通知を受け取ろう!
天才少女スナイパーと6人の歌い手
表向きはただのすとぷりすなーの女の子。しかしその裏の顔は天才少女スナイパー。そんなあなたが戦いの中出会ったのは……
9,06183262転生して、鬼滅の刃来ちゃいました!((o(。>ω<。)o))
まぁ、主人公が転生したとこがなんとなんとなんと?!鬼滅の刃の世界です?! ※オリキャラ キャラ崩壊 下手 投稿遅れる
2,37129134私は病気・・・だったけどなにこれ!?
あなたはいつも笑顔だよね! 私にも教えてよ! 『笑顔』を って なにこれ?なんか変な感じする みんな、口開いてないのにうるさい なにこれ? 更新🐢です 見てくれたら嬉しいな!(๑•̀ᴗ-)💕
14,42482672
溺愛系ケモノ男子とクールな幼なじみに迫られてます!!
ある日、夜道で不審者に襲われそうになったまりあを助けてくれたのは、獣の耳に尻尾が生えたオオカミ男の紅狼だった。 紅狼は出会って早々に「お前が好きだ」と告白してくるが、まりあの幼なじみの銀は罪を犯した人外を狩るハンターとして紅狼を敵視して…!? 溺愛オオカミVSクールな幼なじみハンターとのトライアングルラブ。 イラスト/nira.
1,38513361不良オオカミの過保護な愛情
病弱な主人公は、ある日学校からの帰り道で倒れてしまう。 そんな主人公を連れて帰り、介抱してくれたのはクラスの一匹狼な不良男子──富藤光牙くん。 喧嘩が強いと噂のある彼だけれど、なんだかんだ助けてくれて、お互いを知っていくうちに、惹かれていくふたり。 でも、そこへ学校のアイドル壬生秋斗先輩が現れて……!? 不良オオカミVS学校の爽やかアイドルの恋愛バトル勃発! イラスト/真西まり
10,724493468彼が私を振った理由
大学3年生の胡桃(くるみ)は、高校時代に想太(そうた)という男子と交際していた。想太は、大学受験前に理由もなく胡桃を振ったが、胡桃は彼を忘れられずにいる。しかし、ある日、離れて暮らしていた想太が突然亡くなった。なぜ、想太は胡桃を振ったのか。今となっては知りようがなかったが、数日後、胡桃のスマホに謎のメッセージが送られてくるようになる。 イラスト/もりすけもこ
32,359400846