第122話

記憶の破片⑮藤ヶ谷side
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2020/01/12 02:47
(はっ、今の夢はなに?)

何故だか俺は身体が宙に浮いていて目の前には光りの穴が、そこへ否応なしに引き込まれて行く自分。

下には渋谷の街並みが見えって「これ…って、あの時の?」

藤ヶ谷
ワタ、頼みがあるんだけど
横尾
ん?なに


突然の雷雲に鳴り響いた雷、俺はNHKにいるという北山のことが気にかかりワタに見て来てくれるように頼んだ。それから、すぐ近くにある公園で戻って来るのを待っていたら。

藤ヶ谷
うわぁ~っ、星が綺麗!?


その日の夜空は、都内とは思えないほど美しく思わず見とれていると。

…見つけた‥我が…同胞を
藤ヶ谷
はっ?


ピカーッと眩しいくらいの光りに包まれ訳が分からないまま光の中へと引きずり込まれて行き、気がつけば。

藤ヶ谷
ここは…何処?


草原のような場所に立っていたんだ、そこには沢山の馬の群れ。が、ただの馬じゃない戦をしている連中の「この光景、そうか俺はこうやってこの世界へ来たってわけか」そして…

足利
どうじゃワシに仕えぬか?


こいつ、足利成氏に言われ行き場もなかった俺は。

藤ヶ谷
分かった


でも、それからが悲惨だった残虐非道な成氏は自分に楯突くものは誰ふり構わず殺していき彼奴は俺にその捕り者役をやらせたんだ江戸時代で言えば十手持ちみたいなもん。

だがそんないいものじゃない殆んどが罪もない成氏に逆らった連中ばかりだったから。

けど、こっちの世界の人間ではなく頼る相手もいなかった俺は生きていくため言われた通りにするしかなく、そんなある日のこと。

(嘘だろ、まだガキじゃん!?)

あいつが俺に命じたのは10歳になるかならないかの子供「そいつを捕まえ殺して来い」そう言ってさ、なんでも親が自分に逆らったから見せしめだとかほざきやがって「ふざけんな冗談じゃない」

堪忍袋の緒が切れた俺は、その親子を逃がすとそのまま姿を消して源八の存在を知ったのは、そこら辺あたりから俺は伏姫の祠へ連れて行かれ後は北山を捜していたってわけ。

実は足利の領地を出る少し前に網乾とかいうやつとすれ違っている、そのとき源八が「あいつは人間じゃない」そう言っていた。

なんでそこでやっつけておかなかったのか、ずっと後悔していた「北山お前に負の傷を負わせたのが奴だと知ってからは」

(俺は、もう二度とすれ違いたくないんだ今こうして一緒にいても時々不安になる。お前が何処かへ行ってしまうんじゃないかって、そしたら一生このことを後悔し生きてくかもしれない。

だからもう俺らの前から消えるんじゃない、そんなことをしたら絶対に許さないから)

けど、こいつと共有している秘密があれば大丈夫だとそう思っていた奴を倒しに行くとき俺じゃなくてニカを連れて行ったのにはムカついたけど。

目を覚ますと眼の中に北山の笑顔が飛び込んでくる。

北山
起きた藤ヶ谷
藤ヶ谷
あ、あぁ
北山
夜、玉梓のところへ行く前に皆それ
ぞれ向こうの連中と連絡を取っている、お前はしなくてもいいの?
藤ヶ谷
北山は?相変わらず薮とは連絡ができてないわけか


そう聞くと…

北山
あいつは、ふっ


(んっ?どうしたんだよ?そう言えば、あんなに繋がらないことにショックを受けていたのにあれ以来、薮の話をしなくなった)

北山
俺にもよく分からないんだけど
近いうち会えるような気がする
藤ヶ谷
ふ~ん、そう
北山
なぁ藤ヶ谷、今から釣りにでも行かね
藤ヶ谷
釣り?
北山
ここいらでデッカイ魚が釣れるんだと
藤ヶ谷
そうなんだ、ふっ
北山
それに2人きりの方が例の件について話しやすいし
藤ヶ谷
まぁ、じゃあシメちゃんやトッツーと話した後ならいいよ
北山
待っている


が、その意味も後になって知る事となる。

七五三掛
いよいよってわけですね
藤ヶ谷
あぁ
戸塚
しかし、みんな元気そうで良かった
藤ヶ谷
そっちは?
七五三掛
相変わらず賑かにやっています
戸塚
紫耀たちが来てからは更に煩くなったけど、あはっ
藤ヶ谷
だろな、ふっ
戸塚
ついて行けてるのは塚ちゃんくらいさ
藤ヶ谷
あははっ
七五三掛
でも楽しいですよ共同生活って
合宿みたいで
藤ヶ谷
そっ、ところで
戸塚
んっ?
藤ヶ谷
薮はどうしている?
戸塚
‥‥‥


しかし、そう聞くと黙り込んでしまうトッツー。

藤ヶ谷
まだ、一緒にいないんだ?
戸塚
あいつ、何をやろうとしているんだろ
藤ヶ谷
北山は近いうちに会える気がするって言ってた
七五三掛
そうなんですか
藤ヶ谷
なんとなくらしいけど
戸塚
なら、かもしれないね薮、自分がやらなければならないからって言ってた
藤ヶ谷
何を?
戸塚
さぁ、俺にはよく分からないんだけど北山を助ける為にとかなんとか


(北山を助ける?だけど、あいつは闇に引き込まれる危険性もなくなった後は玉梓を倒し帰るだけ、いったい何から助けるっていうんだろ?)

戸塚
ねぇ藤ヶ谷、あいつ俺達のところへ
戻って来るよね?
藤ヶ谷
どこへ行ってしまうっていうんだよ、こっちの世界にいるならともかくお前らの所にいるんだから
戸塚
そうなんだけどさ、なんだか不安で
藤ヶ谷
心配すんな、ふっ


けどトッツーの予感は的中してしまう、あいつ…
薮は‥

(ごめんな俺なんにも気づかなくて、でもお前の気持ち凄くよく分かるよ。もし自分だったら同じことをしていたと思うし北山、こいつがやろうとしていることも俺は止められない。たが2人とも必ず戻って来い、俺ら皆で信じ待っているから。そして全員で揃ってコンサートをやろう心配をかけたファンの子達にできる最大の謝罪として)

そのライトを浴びて歌い踊る場所が俺達の居場所、離れてなおさら実感した。

だから「もう1度みんなで」そう願わずにはいられない。




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