(はっ、今の夢はなに?)
何故だか俺は身体が宙に浮いていて目の前には光りの穴が、そこへ否応なしに引き込まれて行く自分。
下には渋谷の街並みが見えって「これ…って、あの時の?」
突然の雷雲に鳴り響いた雷、俺はNHKにいるという北山のことが気にかかりワタに見て来てくれるように頼んだ。それから、すぐ近くにある公園で戻って来るのを待っていたら。
その日の夜空は、都内とは思えないほど美しく思わず見とれていると。
ピカーッと眩しいくらいの光りに包まれ訳が分からないまま光の中へと引きずり込まれて行き、気がつけば。
草原のような場所に立っていたんだ、そこには沢山の馬の群れ。が、ただの馬じゃない戦をしている連中の「この光景、そうか俺はこうやってこの世界へ来たってわけか」そして…
こいつ、足利成氏に言われ行き場もなかった俺は。
でも、それからが悲惨だった残虐非道な成氏は自分に楯突くものは誰ふり構わず殺していき彼奴は俺にその捕り者役をやらせたんだ江戸時代で言えば十手持ちみたいなもん。
だがそんないいものじゃない殆んどが罪もない成氏に逆らった連中ばかりだったから。
けど、こっちの世界の人間ではなく頼る相手もいなかった俺は生きていくため言われた通りにするしかなく、そんなある日のこと。
(嘘だろ、まだガキじゃん!?)
あいつが俺に命じたのは10歳になるかならないかの子供「そいつを捕まえ殺して来い」そう言ってさ、なんでも親が自分に逆らったから見せしめだとかほざきやがって「ふざけんな冗談じゃない」
堪忍袋の緒が切れた俺は、その親子を逃がすとそのまま姿を消して源八の存在を知ったのは、そこら辺あたりから俺は伏姫の祠へ連れて行かれ後は北山を捜していたってわけ。
実は足利の領地を出る少し前に網乾とかいうやつとすれ違っている、そのとき源八が「あいつは人間じゃない」そう言っていた。
なんでそこでやっつけておかなかったのか、ずっと後悔していた「北山お前に負の傷を負わせたのが奴だと知ってからは」
(俺は、もう二度とすれ違いたくないんだ今こうして一緒にいても時々不安になる。お前が何処かへ行ってしまうんじゃないかって、そしたら一生このことを後悔し生きてくかもしれない。
だからもう俺らの前から消えるんじゃない、そんなことをしたら絶対に許さないから)
けど、こいつと共有している秘密があれば大丈夫だとそう思っていた奴を倒しに行くとき俺じゃなくてニカを連れて行ったのにはムカついたけど。
目を覚ますと眼の中に北山の笑顔が飛び込んでくる。
そう聞くと…
(んっ?どうしたんだよ?そう言えば、あんなに繋がらないことにショックを受けていたのにあれ以来、薮の話をしなくなった)
が、その意味も後になって知る事となる。
しかし、そう聞くと黙り込んでしまうトッツー。
(北山を助ける?だけど、あいつは闇に引き込まれる危険性もなくなった後は玉梓を倒し帰るだけ、いったい何から助けるっていうんだろ?)
けどトッツーの予感は的中してしまう、あいつ…
薮は‥
(ごめんな俺なんにも気づかなくて、でもお前の気持ち凄くよく分かるよ。もし自分だったら同じことをしていたと思うし北山、こいつがやろうとしていることも俺は止められない。たが2人とも必ず戻って来い、俺ら皆で信じ待っているから。そして全員で揃ってコンサートをやろう心配をかけたファンの子達にできる最大の謝罪として)
そのライトを浴びて歌い踊る場所が俺達の居場所、離れてなおさら実感した。
だから「もう1度みんなで」そう願わずにはいられない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!