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第6話

思わぬ再会①北山side
オヤジと過ごした村を出て、俺は独り街道を歩いていた。

しかし、この時代って本当に不便だ乗り物といったら馬と籠ぐらいだし。

あまり金がないから歩くしかないんだけど、むろん宿にも泊まらないようにしている。

オヤジが残してくれた大切な金、無駄遣いはしたくないから。

(さて今日は何処で寝るとするか)

辺りを見渡すと、小屋みたいな建物が見え「おっ、いい所がある空き家?」

誰も住んでいない感じだ、近づくと明らかに人がいる気配がなく。

(ここにすんべ)

俺は、扉に手を掛け迷わず中へと入り。

(やっべ…なんも見えない、けどこういう時こそ…ゴソゴソ、ごそっ)

こっちへ来たときポケットの中に、たまたまライターが入っていた。

ロウソクはなくとも油と皿、それに芯になる物さえあれば何とかなる。パチッ

(ほら、ん?以外と綺麗だっていうか殆んど物が置いてない確実に空き家だ…にしてもこれからどうする食料はオヤジの家に少しあったから当分は持つけど)

働くしかないのは分かっていた、しかし何をしたらいいのか俺は考えあぐねていたんだ。

なんてったってここは室町時代、自分たちの世界とは違う今後やっていけるのか不安になりながら溜め息まじりで床へと横たわる。

そして薄明かりの中、ふと手にしたのは「これって一体なんなんだろう?」そう思い例の玉を見つめていると。

ピカッ!

北山
うおっち光った、ん?字が浮き出てきたぞ何だこりゃ


それは【孝】という文字。

(なんか見たことがあるシュツエーションだな)

と、そのとき。
宏光、どこへ行ったんだよ


どこからか聞こえて来た懐かしくも聞き覚えのある声。

トッツーも心配している
(…この声?)
答えろ、宏光

(はっ、薮、薮宏太じゃん)
あの日、お前の身に何があったっていうんだ


(えっ、なんで?どうして聞こえるんだよ?)

唐突に思い出した記憶、なぜだか分からないけど…俺はあの日 雑誌撮影のためメンバーと一緒にいた。

藤ヶ谷
話しは、また後で
北山
ん…分かった


(それから俺と藤ヶ谷は…ん~ダメだ、まるで頭の中に霧が掛かったみたいで思い出せない)

北山
俺だって分からないや、どうしてこんな所へ来てしまったのか


そう呟くと。
ちょ、待って宏光?
(はっ?)
今、確かに宏光の声が聞こえた
(んなバカな!?)

北山
俺だよ分かるか?薮


その言葉を聞き思わず咄嗟に玉へ向かって叫ぶ。

やっぱり宏光だ、お前どこにいるんだよ姿を見せろって


(マジで、あり得ない!?)

薮の口からは、悲痛な声が上がり。

北山
それが出来ないんだ
どういうこと?
北山
分からない気がついたらここにいた
それってどこ?
北山
室町…時代?
はあっ?なに訳の分からない事を言っているんだ、なわけないじゃん
北山
本当だって信じて貰えないだろうがさ


俺は今までの事をぜんぶ薮に話して聞かせる薮は、ただ驚きの声を上げていた。

1年だって!?こっちはまだ、3日しか経ってないよ
北山
マジで!?
この間、NHKでトッツーと会ってただろ?


(えっ、そうなのか!?だっ…て)

北山
悪い覚えてねんだ
どういうこと?
北山
正確には記憶がない
記憶…喪失?
北山
んーそれとはちと違う気がする


すると暫く沈黙が続き「トッツーが言うに」っと薮が静かに口を開く、俺は突然ニカと一緒にNHKの楽屋へ来たという。

北山
ニカも一緒に?
あぁ
北山
じゃあどうやって消えたんだ?俺


が、そう聞いたら。

ゴメンそこまでは分からないや
北山
…んだか
ただ、宏光のスマホに誰からか電話が掛かって来て


“悪い、ちょっと出て来る”

そう言って廊下へ出たまま、いつまで経っても戻らないから


トッツーは気になり様子を見に行ったという、俺が二階堂をおいて帰るわけないと。

が、何故だかどこにも見当たらず「そしたら」床にキラリと何かを発見し。

落ちていたんだ
北山
なにが?
ほら、いつもしているゴールドの
北山
あっ


言われて初めて気づく、自分がしていない事に。

北山
で、その指輪は?
今ここにある俺の方が宏光に会う機会があるからってトッツーに渡された
北山
そう
それがどうかした?
北山
いや、で?


(もしかして、その指輪と俺が持っている玉となにか関係があるのかもしれない)

今日 連絡が取れないって、事務所が大騒ぎしていてね心配になって
北山
…‥‥
この指輪に話し掛けていたんだよ何だか伝わる気がし
北山
そうだったのか俺は元気だから安心しな
うん、でもビックリした~いきなり声が聞こえるんだもん


(あはっ、だよな)

さっきこれ光ったんだ宏光の声が聞こえた瞬間に
北山
なっ!?


(そういえば、こっちの玉もって事は玉と指輪で通話が出来るってこと?)

北山
どうやら、その指輪は通信機のような役割をしているみたいだ
えっ、凄いじゃん!?
北山
俺は字が浮き出る不思議な玉を持っている、それと繋がってるらしい
字ってなんの?
北山
孝という文字がな
ん?どこかで聞いたことがあるような
北山
とにかく何かあった時にはこれで連絡が取れる
なんだったかなぁ
北山
そう言えば二階堂はその日ちゃんと
…‥‥
北山
薮?聞いてる
あ…‥
プツン!

北山
あれ?お~い、ちっ、切れてしまった


いつの間にか玉の字は消え光りも無くなっていて「もしかしたらこれって光ってる時にしか通じないのかもしれない」そう思う。

(って、どうやったら光るんだよ)

俺は、クルクル回してみたが全く分からず。

(スイッチなんかないし、つまり連絡したい時にいつでも出来るってわけじゃないんだ、ちぇっ、以外と不便だな)

取り合えず、向こうと連絡し合える事だけは分かった。

(それでよしとするか)

そう思い眠りにつくことにする今ごろ他のメンバー達はどうしているのだろう、急に俺がいなくなって心配しているに違いない。

そんな事を考えながら眼を閉じる、そして翌朝…

北山
ふわぁ~よく眠れた俺って本当にどこでも寝れるタイプってあれ


辺りを見渡すと、なんだか周りが薄暗く。

(朝…だよな?よく見ればこの小屋どこにも窓がないみたいだ)

北山
北「ふっ、なるほど」


(昨日は夜だったから全体的な様子が分からなかったってわけか)

北山
まっ、いいや今日も頑張るとしますか


昨日 薮の声が聞けたことで元気をもらった俺は外へ出ようと身体を起こし出掛ける準備をして出口へと向かった。

が、そのとき扉が開き誰かが中へ入って来てよ。

しかし逆光で顔がよく見えず一瞬、気まずい空気が流れ互いに様子を伺い合う。

おまえ…誰?
北山
そっちこそ誰だよ


聞かれた言葉に言い返し。

空き巣?
北山
はっ?


(こんなボロ屋に誰も入らないわ)

ここは俺んちだ、さっさと出て行け


(そりゃ~失礼しましたヘイヘイ分かりましたって、あれ?どこかで聞いた事があるような)

すれ違いざま、その顔を見て驚く。

北山
にっ、ニカ!?お前もこっちへ来ていたのか
二階堂
はっ?俺の名は犬川荘助そんな妙ちくりんな名前じゃない


(うわっ、ガンを飛ばすな、その顔で)

北山
悪かった知り合いに似てたもんだからさ


関わらない方がいいと思い外へと出た、暫くすると。

二階堂
おーい、ちょっと待ってくれぇ~


後ろから声がし振り返ったら、その犬川とかいう男が物凄い勢いで追い掛けて来ていてよ。

(げっ、俺なんかした?なんもしてないぞ、ただ寝てただけだ)

慌てて自分も走り出す、すると。

二階堂
待て、どうして逃げるんだよ~


(それは、お前が追いかけて来るからだろ)

二階堂
たっ、頼む止まってくれ~ハァハァハァ


(誰が、くっ)

二階堂
お願いだぁー俺を独りにしないで~
北山
‥‥っ


その途端、ピタッと足が止まる。

二階堂
ハァハァハァ…
北山
なんだよ?さっきは出て行けって言ったくせに
二階堂
悪かった、だから
北山
で、なんの用?
二階堂
聞きたいことがある
北山
んっ?


追いついて来た犬川荘介が俺に言う。

二階堂
おまえ俺のこと知っているの
北山
へっ?
二階堂
だったら教えてくれ
北山
何を?
二階堂
さっきニカって呼んだろ、すっげ懐かしい気がした
北山
おまえ本当に


もしかして最初のときの自分と同じで部分的に記憶を無くしているのかもしれない、だとすれば…

北山
生まれは?
二階堂
東京
北山
好きな食べ物は?
二階堂
あじの開き
北山
嫌いな食べもん
二階堂
ピーマン、あはっ


試しに質問してみると。

北山
昔、飼ってみたかったペットってなに?
二階堂
イグアナ
北山
ニカ、やっぱりおまえ二階堂じゃん


俺は嬉しくて、腕をバシパシと思いっきり叩く。

二階堂
痛い、痛いってばもう
北山
あっ、悪い…お前の名は二階堂高祠、メンバーさ
二階堂
メン…バー?
北山
仲間ってことだ
二階堂
俺と…お前が?
北山
そう、俺の名は北山宏光
二階堂
宏…光?
北山
しかし今までどうやって独りで頑張って来たんだよ?


二階堂は見た目と違い、めちゃめぢゃ淋しがり屋で怖がり。

それが見知らぬ土地でたった独り、自分が誰だかも分からずに「どれだけ心細かったことか」そう思うと胸が締めつけられる気がする。

北山
んでも今日からは俺がいる一緒に頑張って戻る方法を見つけよう
二階堂
戻…る?
北山
あぁ、俺達のいるべき場所へ
二階堂
‥‥‥


俺は有頂天になっていたのかもしれない、お前はまだ記憶を無くしたままだというのに。

(ごめんなニカ…)




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朱桜
朱桜
歴は10年を越えカッコ可愛い最年長が大好き“これからもずっと見続けていたい”そんな大切な存在だから想いの全てを物語に紡いでいます。 私が描く作品は絶対にKiさんは右で、その隣にいるのはFさん。 同じような気持ちをお持ちの皆さん、一緒に彼らの世界で浸りませんか。 宜しくお願いします―
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