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第42話

人の心の闇①玉森side→永瀬side
風が呼んでいる、ざわざわ、ざわっ「こっち、こっちだよ」誘われるがまま辿り着いた所、そこは滝が流れる綺麗な場所で、さわっ「覗いて」

(水の中を見ろってか、分かった)

「しかし、いったい何を見せたいっていうのだろう」そう思いながらも覗いてみると、水面が波打ち何かが見えて来てさ。

(あれは…廉!?)

虚ろな眼をし佇んでいる姿は確かにそう、まだ俺らの世界の服を着ている。

永瀬
違う…俺‥じゃあ…ない


(何を呟いているんだ?滝の音が煩くてよく聞こえ
ない)

永瀬
どうして?なんで、こんな事に、くっ


今度は、しっかりと聞こえた。

永瀬
北山…くん


(はっ?ミツ!?ここへ来たときは、まだ記憶を失っていなかったってこと?でもどうしてミツの名を)

永瀬
俺は、ただ


(なに?いったい何があったってわけさ)

永瀬
傍へ行こうとしただけなのに


「えっ?」分からない何が廉をあんなに苦しめて
いるのか、そしてザァーッと水面が乱れ現れたの
は「なっ、あの女の人は誰?」不気味な雰囲気を
漂わせている。

くくくっ、何を言っておる?お主が
やったのではないか
永瀬
俺…が?
そうじゃ、お前があの者を殺した
永瀬
違う!
哀れよのう己れにとって大切な者の
仲間を自らの手で消し去るとは
永瀬
ちがう、違う違う、ちがあぁーう


(廉!?)

ザザザッ、ザァーッと再び水面が揺らいで次に見えたときには。

永瀬
ここは何処?俺は誰


廉は、記憶を失っていたんだ。

(どういう意味?あいつがこうなった原因にミツが
関係しているってこと)

さわっ「彼を捜して」

(もちろんそのつもりでいる、もしかしてそれが記憶を取り戻すキーワードって言いたいわけか?)

ざわざわっ「南へ」

(そこへ行けばミツに会えるんだな)

ふわっと風が、俺の頬を撫でるかのように吹き去って行く。

玉森
南か…
千賀
タマ、どこへ行ってたんだよ
玉森
ちょっとそこまで散歩に
千賀
はあっ?
玉森
それより廉は?
千賀
寝ている、あいつ大丈夫かな?
玉森
…うん、ねぇ千賀
千賀
なに?


(廉がゝ大さまの所にいるのなら)

玉森
俺達、やっぱりミツを捜して合流したほうがいいと思うんだ
千賀
そりゃ、でも廉はどうするんだよ?


(そうなんだよな今のあいつを一緒に連れては行け
ない、だから)

法師
構いませんよ
玉森
いいんですか?


思い切って、ゝ大さまに相談したら快く引き受けてくれて。

法師
親兵衞のことなら拙者にお任せあれ
千賀
あっ、有り難うございます
法師
見つかるといいですな
玉森
はい


(まぁ~南と言われても広いから何処へ行けばいいのか分からないんだけど)

それでも俺達は翌日、滝田の城を出てミツを捜す旅へ出たんだ。その頃、トッツーや翔太たちがミツと話せていただなんて知らず。







・永瀬side

(俺はどうしちゃったんだろう?あのとき頭の中で何かが囁き、そしたら物凄く痛くなってさ)

「…が‥した…」
(まただ、やめてくれ頼む)

「そなたが…大切な」
(俺が?)

「廉お前こんな所にいたの早くこっちへ来いって」
(誰?)

玉梓
わらわ玉梓たまずさ
永瀬
玉…梓?
玉梓
哀れよのう記憶を失うとは、ククククッ


(えっ、なんのことを言っているんだ?)

玉梓
その不安・苦しみを妾に預けては
みないか


(預ける?そしたら楽になれるわけ)

玉梓
ふふっ、たわいもない
永瀬
ん?
玉梓
この者の心は既にこの玉梓のもの
親兵衞、聞いておるか


ざわざわっ、ざわっ

玉梓
それで護っているつもりだったとは
愚かな奴


ざわっ

玉梓
人の心など弱気もの記憶を無くした
とて堕ちるのを防げるものではない


ざわっ、ピューッ!

玉梓
ふふふっ、あははっ、喚け叫べ!もう人ではないそなたには何もできまい


ガタガタガタ!

法師
この妖気は、ハッ、もののけか
永瀬
もう…苦しむのは‥嫌だ
法師
親兵衞!
永瀬
哀しい…のも
法師
しっかりするのだ
永瀬
楽に…なりたい
法師
親兵衞えぇーっ


ガタガタガタ!

玉梓
そうじゃ思い出したくない事は考えずともよい妾が楽にしてやろう
法師
玉梓、おぬし玉梓だな
玉梓
金鋺かなまり大輔
法師
この者をどうするつもりだ
玉梓
ふふふっ、今に分かる!その時の
そなたの顔を見るのが楽しみじゃ


ざわざわざわっ

法師
風が泣いている


ピューッ!

法師
そうか護りきれなかったことを責めているのだな


ざわっ

法師
心配するな、この者には仲間がついておる彼らならばきっと


さわっ

(どうした?風、なんでそんな悲しそうに吹くんだよ俺は大丈夫だから今はこんなに気持ちが楽なんだし謝らなくてもいい、ただ凄く眠いんだ…そう眠いだけ‥だから)

法師
寝てはならぬ目を覚ますのだ親兵衛
永瀬
ん~無理…
法師
親兵衞、親兵衞


そこは綺麗なお花畑で、蝶々がヒラヒラと飛んで
いて。

玉梓
よく来たな
永瀬
貴女は誰ですか?


綺麗な女の人が、俺を見つめ。

玉梓
玉梓じゃ、そなたに頼みがある
永瀬
俺に?
玉梓
その力を妾に貸しては貰えぬか?
永瀬
なんで…です?
玉梓
そなたしか、いぬからじゃ
永瀬
俺が必要ってこと?
玉梓
そうじゃ
永瀬
分かった、いいですよ
玉梓
ふふふっ


このとき俺は、いったい何を求めていたのだろう?この世界に来てからずっと寂しかった誰も傍にいてくれなかったから。

何も覚えていなかった自分、思い出したとき言葉では言い表せない慟哭が襲う。

(ごめんなさい本当にゴメンなさい、こんな事になるだなんて思いもしなかった。ただ俺は「なんとかして北山くんを助けたい」そう思っただけ、それだけなのに自分が追い込んでしまっていただなんてさ)

この日を境に風は吹かなくなってしまう、あいつから俺が離れてしまったから。




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朱桜
朱桜
歴は10年を越えカッコ可愛い最年長が大好き“これからもずっと見続けていたい”そんな大切な存在だから想いの全てを物語に紡いでいます。 私が描く作品は絶対にKiさんは右で、その隣にいるのはFさん。 同じような気持ちをお持ちの皆さん、一緒に彼らの世界で浸りませんか。 宜しくお願いします―
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