第147話

時空の狭間④千賀side
279
2020/01/31 09:06
あのとき俺の耳に聞こえたのは、守護霊たちの最後の言葉だったのか?

二階堂
千賀お前どうしたんだよ?
千賀
ニカ
宮田
泣いているの千ちゃん
千賀
くっ


月の道から出ようと走っていた時、あいつらの魂の叫びを聞いた。

親兵衛
風よ僕の身体に飛び込め、この身を
刻まれようとも構わないから
道節
闇を照らせ炎あの者たちを護るため
この身を焼く尽くしてでも
小文吾
力を全て、あの者たちへ我が魂を捧げよう
荘介
我らの能力のすべてを
大角
あの者たちに注ぐ
毛野
彼らの先の世に託し
源八
魂の全てを掛け
信乃
2人を光りの世界へと還したまえ


ピカッ!

そして見えたのが、8人の魂が光りの固まりとなって輝き月のように丸くミツと薮を包み込む光景。

如恵留
それ本当ですか?
そんな!?じゃ信乃は
永瀬
嘘っ、親兵衛
北山
俺らは、あいつらを犠牲にし
戻って来たっていうのか!?
藤ヶ谷
北山
千賀
俺が見たのはそこまでで、その後
どうなったかは知らない
北山
くっ


そう話すと、みんなの顔から笑顔が消える。

高橋
魂が消えちゃうと、どうなる
んですか?
阿部
たぶん、もう生まれ変わることが
出来ないんじゃないかな
神宮寺
‥‥っ
平野
それが分かっていて2人のことを
宮田
道節
二階堂
荘介
藤ヶ谷
くっ、源八お前
二階堂
小文…吾


誰もが、言葉を失った。

永瀬
俺達は、どう応えたらいいんでしょう


暫くし廉が、ボソッと呟く。

玉森
毛野は託すって言ったんだよね?


(あぁ、そうだよタマ)

宮舘
それって未来を?
横尾
大角の夢って、なんだったのかな
藤ヶ谷
そう言えば俺達、あいつらの事なんにも知らなかったよね
二階堂
あんな世の中でも夢はあったかもしれないのに
宮近
それが叶うことも出来ずに消えちゃうだなんて可哀相です、ヒクッ
戸塚
宮近


と、光りの柱が聳え立っていた場所に宮近の涙が
落ちピカッとそこは再び光りを放つ。

渡辺
なっ、なに!?
七五三掛
どういうことですか?


そして、声が聞こえて来たんだ。

伏姫
悲しむことはありません
浜路
あれは彼らが自らの意志で行ったこと
伏姫
そこまでさせるほど貴方がたが
心を動かしたのです


「伏姫、浜路姫」同時に、俺たちの前へ2人が姿が現し。

北山
だが犠牲にしてしまったことに
変わりはない
伏姫
それは違います
浜路
守護霊たちは皆、己の役目を
果たしたまで
北山
役目?
浜路
そうです
北山
俺には理解できない、それが侍とでも言いたいの!
伏姫
いえ貴方の、あなた方の想いが彼らを変えたのです
北山
俺らの…
藤ヶ谷
北山あいつ源八は前に言っていた本来自分たちは玉梓によって殺された身だから、もののけになっていたはずと


(えっ、じゃそうならなかったのはどうして?)

伏姫
玉の加護と貴方がたとの繋がりが防いでいたからに他なりません
浜路
そして、その魂は浄化された
千賀
もしかして
伏姫
さすが霊感が強いだけあって勘が
いいですね
浜路
心配しなくても貴方がた1人ひとり
の心の中に彼らが生きている限り
伏姫
いずれ何処かで会える日が
来るでしょう


「マジで!?それって転生するってこと」とたんテンションが上がる、けどそれは皆も同じで。

佐久間
良かったぁ
北山
ったく面倒なことしやがって
塚田
ホッとしているくせに素直じゃないんだから
北山
うるせぇわ、ふっ


何よりも一番、嬉そうだったのがミツ。

北山
お前らメシでも食いに行くぜ
玉森
夜中だよ
北山
開いてる所くらいあるだろが


それから俺達はNHKを後にし…

「小文吾・ぬい、いつかきっと会おう」俺は、2つ寄り添うように輝いている星に向かい話しかけたんだ。それを願いながらー




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