(んっ?今、なんか見えた)
途中、泉に寄ったとき水を飲もうとして宮田とニカが一緒にいる姿が見えた。
(あいつ、やっぱりミツを捜しに行ったんだな。まだ気にしてたのか?あの怪我はお前のせいじゃないっていうに、でも良かった)
(なんで塚ちゃんの声が聞こえるんだよ?)
(なるほど宮田と繋がっているキーホルダーが光らないから、翔太が持ってる玉森のブレスレットを奪っちゃったんだ、この2人)
(まぁまぁ~許してやりなってタマ、ふっ)
(あのねぇ~)
(ふふふっ、この2人 相変わらず仲がいい)
(ニカと同じで自分を責めているんだね)
俺達は今それぞれが別の方向へ動いている、でも
必ず同じ場所へ辿り着くはずだ。
向こうにいる薮やトッツー宮近、如恵留だって心配してくれている。
ニカと宮田は、一緒にミツを探しているし俺はタマと情報収集をしながら安房を目指し、ガヤちゃんが今どうしているか分からないのが気にはなっているけれど俺はミツが知っている気がしていた。
あとは横尾さん「何処にいるんだろう?」全く検討がつかない。
(でも、みんな必ず会える)
そう信じる事ができるのも、今まで培って来た絆があるからかもしれない。
(そうだよね?ミツ、早く俺達のところへ戻って来てよ。そして、いたずらっ子みたいに笑いながら俺を弄って)
ふっと風が吹く、それはまるで俺達を誘っているかのように優しく頬を撫でるかの如くに。
俺は急ぎタマのもとへ走り寄る、もうすぐ「安房」俺達がこの世界に来ることになった始まりの地。
そこで俺達は風使いに会う、そうその風使いこそが薮やトッツーたちが心配していたキンプリの永瀬廉だったんだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。