「ここは…」気がつくと俺は薄暗い中で独りきり。
(そうか、やっぱり狭間に取り残されちゃったんだ、宏光…あいつは無事に戻れているといいけど、でも俺はそれを確かめることもできない)
そう思ったら、ドッ寂しさが押し寄せ覚悟していたはずなのに涙が溢れ出る。
(ずっとこんな所で耐えられるだろうか?光、涼介、ちぃ、Hey! Say! JUMPのみんなトッツー、もう会えないんだね)
心が押し潰され気が狂いそうだった、そのとき。
微かに聞こえた声「なっ、まさか!?今のは信乃」
(やっぱり、そうだ)
ピューン「うわっ、なんだよこれ」ピューッ!
ヒュルヒュルヒュル~そこへ突然、吹いて来た風で俺の身体は宙に浮き。
上へと持ち上げられてしまう「助けて宏光」思わず、その名前を呼ぶと。
「えっ」我が耳を疑うとは、こういうことを言うんだろうか。
「本当に宏光が嘘だろ?だってお前」俺は、自分の耳に聞こえて来た声が信じられなかった。
すると、真下の視界に宏光の姿が見え。
(宏光、グスッ)
「行くって浮いているんだよ俺」けど宏光は…
ヒューン、ヒュルヒュル~本当に飛んで来やがって
ギュッと、その胸にしがみつき泣いてしまう。
(俺、本当は凄く怖かったんだ…でもお前を助けたくて‥だから…だから‥ね…うっ)
そんな俺を優しく見つめる宏光の瞳は温かく。
2人でそう微笑み合ったとき、ビュルヒュル~ピューン!
再び吹いて来た突風で俺達は竜巻みたいな渦に巻き込まれてしまい「離すもんか今度こそ」
ヒューヒュルヒュル~
そして、そんな決意を8人の守護霊が固めていただなんて知るよしもなく。
ヒュルヒュルヒュル~
俺らは必死で突風にあらがっていたんだ互いの手を強く握りしめながら。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。