俺達は、またあの泉に戻って来ていた。
なんとかしてミツの居場所を突き止めたいと、そう思ったから。
(そう言えば玉森も持っているはずだな?俺達と同じ玉を)
(あれが反応すれば向こうにいる誰かと連絡を取れるのかもしれない)
(そしたらミツと繋がっている薮とも、はっ、俺の
玉だって誰かと繋がっている可能性があるんじゃん)
(なんで、もっと早くに気づかなかったんだろう)
俺は、おもむろに懐から自分の玉を取り出し玉森へと見せる。
するとタマは、すっとんきょな声を上げ。
同じように、ニカも出せば。
それでやっと意味が分かったのかタマは「そういうこと」っと言葉を発し、ふっと笑って懐から自分のを取り出し途端に3つの玉は光を放ち。
ピカッ、ピカッ、ピカーッ!
浮き出た文字は【義】【悌】【智】
またまた、眼が点になっているタマ。
俺達は、今までの出来事をタマに話して聞かせた。
しかし、この日は宮近以外の人と話すことは出来ず俺やタマが誰と繋がっているのか分からないまま
俺達は、ぬいが待つ家へ帰って行くことになる。
(こんなんでこの先、本当に大丈夫なんだろうか?)
不安な気持ちを抱え…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!