(藤ヶ谷お前いったい何処へ行こうとしているんだよ?何を考えている)
前を歩くその背中を陰から見つめ俺は呟く、そして暫く進むと祠のような場所へと辿り着き。
(ここは?)
そこに現れた、ぼわっと浮き出るような人影。
(なっ、なんなんだ!?あの時代劇に出て来るような
お姫さんは)
(真の戦士?あの法師が言っていた八犬士のこと?
じゃ、あれが伏姫…でも死んだんじゃなかったの
かよ!?それが今なんで俺の目の前にいるんで?)
(闇の中?引きずり込まれる、なんのことを言って
いるんだ)
(おまっ…)
(これが藤ヶ谷お前が抱えていた事なのか、あいつが苦しんでいたのは俺のせい負の力…闇‥この傷が)
藤ヶ谷が去った後を俺は追い掛けることができなかった今、俺と一緒にいることが彼奴にとってどれだけ辛いことなのか嫌ってほど分かったから。
(伏姫…)
(やってやるさ、もう1度みんなで楽しく歌ったり
踊ってバカしたいからよ、ふっ)
その為には、まず村雨丸を。
あんまり会いたくはないが俺はあの網乾とかいう奴を捜すことにする、それまでは他の連中と合流しないつもりで。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。