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第37話

護るべきもの③永瀬side
風が懐かしい匂いを運んで来た、確かに俺は知っているはずなのに何故だか思い出せなくて。

気になり様子を見に行くと、なんだかゴリラみたいな顔をした男の人と女なんだか男なんだか分からない格好をした人が。

それともう1人、俺の中であのときの記憶が甦る。あれは犬江という侍が死んだとき傍にいた…

永瀬
どうして止めてくれなかったんだ
法師
侍が主君の後を追うのは忠義、止めるものではない
永瀬
死のうとしていたのに?
法師
おぬし名は何という犬江の家の者か?
永瀬
俺の名は親兵衞、犬江親兵衞
法師
せがれか?
永瀬
そうだ!
法師
なら拙者は仇だな
永瀬
えっ
法師
里見の家の者は皆そうであろう
永瀬
俺…は
法師
腕を磨け、さすれば相手してやってもよいぞ
永瀬
くっ


なにも、そうするつもりで剣の腕を磨いたわけではないけれど「いつか会うことがあったら試してみたい」そう思っていた。

(あいつ、強そうだったし)

犬江って人に少しは教えて貰っていたから強くなりたくて何でだかは分からないけど、ただ風が言ったんだ強くなれと今に必要なときが来るって。

ふわっ

(えっ、行けって?まだ無理だよ)

ふわっ

(大丈夫?)

ふわっ

(傍にいてくれる?力になるからって分かった、やってみるよ)

俺は勇気を振り絞り3人の傍へと近づいて風が言うに、あのゴリラみたいな人と男女は強くないらしい。

(まずはそこを狙えってことか、よし行くよ)

ざわざわっ、ざわっ、ヒューッ、ふわっと身体が
宙に浮いた。

法師
千賀殿、玉森殿ふせなされ!
千賀
へっ
玉森
はっ?


キーン、カーン!でも俺の刀は見事、この人に弾き返されてしまい。

(あぁ~あ、やっぱりダメだったじゃん)

ふわっ

(えっ?これでいい、わけ分かんない。けど風がそう言うならそうなのかもしれないね)

法師
お主は!?風を味方につけておったのか
永瀬
くっ
玉森
えっ、嘘!?
千賀
れんれん、れんれんじゃん!


(なに?この人達)

法師
これは驚いた、お二人とも知り合いであったか
玉森
後輩なんだ
法師
後…輩?
千賀
なんて言ったらいいのかなぁ
永瀬
誰が後輩だって
千賀
れんれん?
永瀬
なんだよ?その変な呼び方は
千賀
あ、いや…だっ‥て
玉森
お前、記憶が
永瀬
やっぱり男だったんだ女みたいな格好をして
玉森
なっ


(ふん、おかしな連中)

法師
お主も共に来る気はないか
永瀬
なんで?
千賀
せっかく会えたんだしさ
永瀬
俺、誰ともつるむ気はないから
玉森
永瀬
‥‥っ


その瞬間なぜだか胸がズキンと痛み、その寂しそうな瞳に囚われ。

玉森
記憶がなくてもいい、でも俺はお前をほっとけない
千賀
タマ
玉森
独りになんかできるわけないじゃん
可愛い後輩をさ
永瀬
‥‥っ
玉森
行くよ


グイッと、その手が俺の腕を掴む。

永瀬
はっ、離せ離せってば俺は
千賀
親兵衞、俺たち仲間が欲しいんだ
永瀬
なんの為に?
法師
この世界を救うため彼らは、その為に動いておる
永瀬
俺、別に興味ないし


ふわっ、風が再びそよぐ。

永瀬
えっ、一緒に行けって?
玉森
お前、誰と喋っているの?
永瀬
分かった、しょうがないから着いて
行ってやるよ
千賀
やったぁ~
玉森
???


なんだかよく分からないけど風がそう言うから同行すると決めた、でも…

千賀
凄いなぁ~れんれんは風と会話ができるんだ
永瀬
‥‥‥


このゴリラみたいな人が、おかしな呼び方をするのだけは止めてくれそうにもない。

(しかし何故だか一緒にいるとホッとする、なんでだろう?その理由が分かれば自分がここにいる意味も分かるのかもしれないな)

俺はどうしてこの世界に来たのかを知りたくて、
ずっとそれを求めて来たんだ。

見知らぬ土地で、ただ独り。




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朱桜
朱桜
歴は10年を越えカッコ可愛い最年長が大好き“これからもずっと見続けていたい”そんな大切な存在だから想いの全てを物語に紡いでいます。 私が描く作品は絶対にKiさんは右で、その隣にいるのはFさん。 同じような気持ちをお持ちの皆さん、一緒に彼らの世界で浸りませんか。 宜しくお願いします―
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