キーン、カーン!「くっ、これじゃキリがない」
俺とニカは交互に攻撃をして一人前、けどゝ大法師は2人を相手にしながら平然としている。
体力もそろそろ限界だし、キーン、カーン「くっ、なんとかしないと」キーン、カーン!
そう思っていた、そのとき。
重なるようにして聞こえてきた声に思わず振り返ったら。
いつの間に気がついたのか、ミツがフラつきながら立っていて手にしている刀を廉とタマの方へ向けている。
(これ…は‥)
暴れるミツを必死で抑え込んでいるガヤに対し近づこうとする廉、それを無我夢中で止めようと引っ張っているタマ。
でもミツは自分の行動とは正反対のことを言っているし「いったい何がどうなっているわけ?」
(そん…な)
俺は憤るニカの腕を引きタマたちのところへ急ぐ、けど頭の中ではゝ大法師の不可思議な言動が気になっていたんだ。
それは「なぜ敵であるはずの自分たちにそんな事を教えたりするのか?」ということ、それにミツたちのところへ行くようわさど仕向けた気もするし。
「きっと何か意図がある」あの人の中にそうしなければならなかった理由が、しかしそれを知ったのは法師がこの世から消え去るときだった。
そう、人を愛する気持ちは闇の力に負けたりなんてしない。その偉大な存在を無くすと同時に俺達は、それを教わった気がする。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。