いよいよ最後の戦いが始まる、けれどそれは試練の場でもあった。
・北山side
暗闇の中、妖しい佇まいで聳え立つ屋敷。
その前で、言葉を発する俺に全員が頷く。
懐から、それを取り出すと途端にピカッと光を放つ【仁】【義】【礼】【智】【忠】【信】【孝】【悌】八つの玉、その輝きを村雨丸の刃に吸収させ。
(よし、これで準備OKだ)
それぞれの表情に、迷いはない。
(薮、俺はお前が何をしようとしているかは知らない。ただ自分のことを思っての行動だって事だけは分かっている、ありがと、ふっ…けど無茶はすんな俺はお前も大事なんだから)
月を見上げ、そう心の中で語りかけると。
「おう」ギィーッと音を立て、扉を開けると中へと入って行く。
すぐさまニカが不安気に言った、確かに薄暗い廊下には所々にランプが灯ってるんだが辺りはシーンと静まり返っていて異様な雰囲気をかもし出していた。
それから横尾さんと俺が続き、2列の体勢で廊下を歩いて周囲を伺いながら前へと進んで行くと広間みたいな所へ突き当たった。
そう千賀が叫んだのと同時に、ザザザザザァーッ!俺達は瞬く間に黒い集団に囲まれてしまい。
とたん奴らは四方八方から攻撃を仕掛けて来てよ、キーン、カーン!
キーン、カーン!
キーン、カーン!
キーン、カーン!
が、その予想以上の多人数に気がつくと俺らは少しずつ引き離されて行き。
藤ヶ谷の叫び声が響き渡る「こっちは大丈夫だ俺に任せ、お前はそっちを頼む」
悔しそうなニカの声を最後に千賀・宮田・藤ヶ谷・ニカの姿は暗闇の中へと消え俺のもとにはタマと廉、横尾さんだけが残る。
(俺らをバラバラにし1人ずつ攻めようって魂胆だな、だがそうはいかない俺達の仲間はここにいる
メンバーだけじゃないんだ、どんなに離れてしま
っても彼奴らが繋げてくれる甘くみるんじゃない
ぞ)
強い絆は何よりの武器、だから絶対に負けはしない俺はやつに向かい心の中で叫び先へと進んだ全ての決着をつけるため。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。