第126話

最終決戦②藤ヶ谷side
261
2020/01/15 02:22
あまりの敵の多さに気がつけば俺らは北山たちと
離ればなれになっていた、最後に見たあいつの眼。

(分かっている心配するな、こいつらのことは俺に
任せ)

連中は俺達が一定位置まで来ると潮が引いたみたいに去って行き。

二階堂
くっ、なんだったんだ?あいつら
千賀
俺達をバラバラにするのが目的
だったんだろ
宮田
北やん、くっ
藤ヶ谷
みや
宮田
俺、タマと約束したんだ絶対に
傍から離れないって
藤ヶ谷
そのタマが向こうにいるんだ大丈夫さ
千賀
そうだよ宮田、横尾さんだって
いるんだし
宮田
千ちゃん
二階堂
これからどうする?ガヤ
藤ヶ谷
取り合えず前に進むしかない
んじゃない
二階堂
前って言ったって、ここ


ニカが、困惑した顔で見上げながら言う。

二階堂
まさか登るっていうんじゃないよな
藤ヶ谷
はははっ、これじゃロッククライ
ミングだ
千賀
笑いごとじゃないってガヤちゃん
二階堂
そうだよ
宮田
だけど他に通路はないし、やるしか
ないんじゃ
二階堂
戻ろ、そしたら別の道があるの
かもしれないし
千賀
それは無理みたいニカ、後ろを見てみ


千ちゃんに言われるまで気づかなかったのかニカはその状況に声も出ない様子で、そりゃそうさ俺達はいつの間にか四方を壁に囲まれていたんだから。

千賀
どうやら、ただバラバラにするのが
目的だったわけじゃないみたいだね
藤ヶ谷
是が非でもここを登らせたい理由が
あるんだろ
宮田
それって何かを仕掛け待ち構えているってこと?
藤ヶ谷
たぶん、ふっ
二階堂
えぇーっ、マジで登らなきゃならないのかよ~


ニカが、悲痛な声を上げる。

藤ヶ谷
仕方がない、それともお前だけ
ここに残る?
二階堂
嫌だ絶対!
宮田
だったら勇気を出して
千賀
はぁ…
宮田
千ちゃんも、俺が後ろで支えるから
藤ヶ谷
みや
宮田
みんな一緒さ独りになんてしやしない
二階堂
宮田
千賀
よし頑張るか
二階堂
おう


俺達は先頭を千ちゃん、その後ろにみやニカを真ん中にし自分は1番後ろからと位置を決め登り始めた。

藤ヶ谷
下を見るじゃないニカ
二階堂
分かっているってガヤ
宮田
俺を見て
二階堂
はあっ?ケツしか見えねぇ
藤ヶ谷
バカ、俺なんかお前らのケツ見て登っているんだからな
宮田
ははっ、屁をこえたら臭いんじゃない
二階堂
やったら許さない
千賀
くだらないこと言ってないでサッさと登って途中でヘタばってもしらないよ
藤ヶ谷
それだけ元気があれば大丈夫さ


そしてようやく千ちゃんが上に到達し続いて宮田、登り切ったとたんニカは安心したのかしゃがみ込んでしまい。

藤ヶ谷
そこをどいてって俺が上がれ
ないじゃん
二階堂
もぉ~動けねぇ
宮田
しょうがないな、もう


宮田と千ちゃんが引っ張って移動させ、やっと俺も到達し。

千賀
しかし、ここなんなんだろう?


千ちゃんの言葉で周りを見渡すと、庭園みたな風景で。

宮田
本当に室内?
二階堂
どう見ても外だよな
藤ヶ谷
俺達の世界で言ったら屋上みたいな
ものかもしれない
千賀
だったら登らなければならなかったのも分かる気がする
藤ヶ谷
とにかく行ってみるとしよ


取り合えず俺達は奥へと進んでみる事にする、しかしそこで待っていたのは沢山の「もののけの群れ」たぶん何処かの村人か何かだろ、その中に。

千賀
ぬい!
二階堂
‥‥っ


死して「もののけ」と化した、この世界での千ちゃんの妹ぬいがいたんだ。

(ニカ、千ちゃん俺らは周りの連中としか戦わない、この娘はお前ら2人でやるんだ手出しはしない)

宮田
ガヤさん、もう見ていられないよ


(みや、お前も手を出すんじゃない)

泣きながら斬り込んで行く2人を見て、みやが堪らなくなって叫んだ。が、俺はそれを制し。

どれだけ2人の心が傷ついてるのか見ていれば分かる、それでもやらせなければ。

この試練を乗り越えたとき、こいつらは元の世界へ戻ることが出来るのだから。

俺と北山は、そう守護霊たちと約束を交わした。「玉梓は俺らが絶対に倒してみせる、だから他の
連中がそれぞれこっちでの縁を斬ったら元の世界
へ帰れる道を開いてくれ」と自分たちが戻れなく
なるかもしれないのを承知の上。

俺はただ黙って成り行きを見守っていた、千ちゃんとニカが無事に戻れることを願いながら。




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