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第30話

自分の役割⑬北山side
朝が来て昼になり、また夜が来て朝が来る。

(いったい何回それを繰り返せば、ここから出られるんだよ?)

北山
くっそ


ただ苛つきだけが増幅し、何もできない自分を腹ただしく思いながら俺は日々を過ごしていた。そんなある日のこと、いきなり扉が開いたかと思ったら。

藤ヶ谷
北山、逃げるぞ
北山
はっ?どうしたんで
藤ヶ谷
いいから早く説明している暇はない
奴らが来る急げ
北山
なっ!?
藤ヶ谷
早くしろって
北山
うわっ、ちょ引っ張るな藤ヶ谷


こいつは、俺の腕を掴むと強引に外へと連れ出し。

(まったく何なんだ出るなと行ったり逃げろと言ったり、わけ分かんねぇ)

そう思っていたら…

こっちだ確か、この先の小屋にいる
はず
見つけたら即、叩き斬ってやる
あいつはワシらの敵だ生かしておく
わけにはいかん
当たり前さ放っておいたら化けもんになっちまうんだぞ
その前に殺ってしまわないと、あの村の二の舞になる


(敵?化けもん?二の舞ってなんのことを言っているんで)

藤ヶ谷
ちっ、もう来やがった!こっちだ
北山
おっ、おい


藤ヶ谷は、俺の腕を引っ張りながら物凄い勢いで
走り続け。

北山
くっ、ハァハァハァ
藤ヶ谷
ハァ…ハァ


が、しかし。

北山
お…まえ
藤ヶ谷
なんだ?くっ
北山
いい加減にしろよ!
藤ヶ谷
‥‥っ
北山
わけを言え訳を!


その状況に我慢ができなくなった俺が怒鳴り散らすと、ピタッとその足は止まり。

北山
あいつらが言っていたのは俺のことか?
藤ヶ谷
‥‥‥
北山
化けもんになるってどういう意味だよ
藤ヶ谷
くっ
北山
敵ってなに?お前いったい何を知っている


だが、こいつは答えない唇を噛みしめ何かをグッと堪えるかのように一点を見つめ。

北山
俺には知る必要がないとでも言いたいん?
藤ヶ谷
そう…だ


そして、絞り出すかのように出た言葉。

北山
ならここからは俺、独りで行かせて
貰う
藤ヶ谷
ふん、勝手にしろ
北山
じゃ
藤ヶ谷
‥‥‥


俺は、藤ヶ谷に背を向け片手を上げると手を軽く
振り歩き始める。

(お前は、どんな思いでそれを見つめていたんだ?)

仲違いしたかに見えた2人、けれど心の中は互いのこと仲間たちのことを何よりも思っていた。

(だから迷わずに進めた、そうだろ?行こう例え自分の身がどうなろうともとことん付き合ってやるから、それがこの世界で与えられた役割なら俺は絶対に成し遂げてみせる心配するな、ふっ)

このとき背中に向けられた眼差しはお前が俺を想う気持ちで溢れていた、それを感じることが出来たから俺もまた自分の運命を受け止める勇気が持てたんだ。

(もう独りで悩まなくてもいい全てを引き受けてやるよ笑え藤ヶ谷、俺お前が大好きなんだから)

月が輝きを増したとき、俺達の未来の扉は開かれる。




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朱桜
朱桜
歴は10年を越えカッコ可愛い最年長が大好き“これからもずっと見続けていたい”そんな大切な存在だから想いの全てを物語に紡いでいます。 私が描く作品は絶対にKiさんは右で、その隣にいるのはFさん。 同じような気持ちをお持ちの皆さん、一緒に彼らの世界で浸りませんか。 宜しくお願いします―
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