第53話

仲間を想う心⑩宮舘side
377
2019/10/09 11:13
それは、確かに横尾くんの声だった。

横尾
宮舘、佐久間、翔太、阿部、
如恵留、宮近


とたんにピカッと、自分の手の中にあるメガネが
光りを放ち。
宮舘
横尾くん!?
佐久間
横尾くんだ!
渡辺
俺にも聞こえた
阿部
本当に、本当に横尾くんですか 
宮近
やったぁ~だから言ったじゃない
ですか
如恵留
メガネ、メガネが光ってます
佐久間
うおおぉ~テンション上がって来たぁ
渡辺
佐久間ったら調子がいい
佐久間
あはっ
横尾
みんな…くっ、あり‥がとう


俺らは、ただ嬉しくて自分たちがいる場所が何処だかも忘れ口々に叫び。

阿部
良かった本当に良かったです


傍で訳が分からず、その光景を茫然と見つめているシメがいた事に気づかないまま。

宮近
これで藤ヶ谷くんの居所さえ分かれば
横尾
んっ?太輔
七五三掛
えっ
佐久間
ここまで来たら全員が揃うのも時間の問題さ
阿部
そうだね
如恵留
はい

が、とつぜん横尾くんは黙り込んでしまい。
宮舘
どうかしたんですか
横尾
今、太輔って言わなかった?
佐久間
言いました…けど
渡辺
藤ヶ谷くんも、まだ見つかってない
んです
横尾
あれ?俺、誰といるんだっけ
渡辺
はあっ?
如恵留
分からないんですか?
横尾
ん~さっきまで記憶を無くしてた
からなぁ


(いやいや、だからって)

宮近
そう言えば廉も記憶がないって言ってましたよね
横尾
えっ、あいつもこっちにいるの?
阿部
それだけじゃないんです千賀くんや
二階堂くん
佐久間
宮田くん玉森くんまで
宮舘
北山くんも、そっちにいます
横尾
ミツ?あぁーっ
渡辺
どっ、どうしたんですか!?


と、今度は大きな叫び声を上げ皆が驚く中。
七五三掛
なっ、なに!?なんなの?これ
宮近
わっ、シメ聞いてたんだ!


意味不明な状況にパニックになっているシメの姿に俺達はやっと気づき。

七五三掛
どうして横尾くんの声がするんです?そっちってどっち?藤ヶ谷くんは何処にいるんですか!
如恵留
シメ落ちついて全部ちゃんと説明するから


如恵留が宥めている間に横尾くんは、とんでもない事を言い出す。

横尾
俺、一緒にいる
宮舘
誰とです?
横尾
ミツと太輔
佐久間
はあっ?
渡辺
マジですか!?
横尾
あぁ


もうビックリしたってもんじゃない北山くんは凄く皆が心配していて藤ヶ谷くんに関しては今まで何の情報も入って来なかったんだから。

阿部
で、お二人は今?
横尾
なんか神妙な顔をし出ていった2人
だけで話しがしたいからって
宮舘
違う場所にいるってことですか?
横尾
そう
宮近
すっ、すぐにでも呼んで来て下さい
横尾
なんで?
佐久間
も~う、いいから早く
横尾
へっ
渡辺
北山くん今、大変なことになっているんです
横尾
大変な…こと?
阿部
あとで詳しく説明します、だから
横尾
分かった


「まさか今まで全く消息が分からなかった横尾くんが北山くんと一緒にいるだなんて」俺達は予想だにしていなかった状況に驚きザワついていた、それも藤ヶ谷くんと一緒に。

宮近
でも、これで北山くんや藤ヶ谷くんとも繋がれるってことですよね
阿部
うん…って、そう言えば薮くんは?
宮近
えっ
阿部
あれから戻って来たのかな?
宮舘
さぁ?何も聞いてないけど
阿部
‥‥‥
佐久間
後で塚ちゃんにでも聞いてみよっか
トッツーと一緒だったし何か知って
いるかも
渡辺
確かに
如恵留
このことを早く知らせてあげたいです
きっと喜びますよ


けど、そんな俺達の期待は見事に打ち破られる事となる。
宮舘
いないって、どういうことです?
横尾
手紙が置いてあって
渡辺
手紙?
宮近
なんて書いてあったんですか
横尾
それが


(ったく何を考えているんです2人とも)
佐久間
どういうつもりなんだろ?

「どこまで心配かければ気が済むんですか」本人
たちを前にしたら、そう言ってやりたい心境になる。

横尾さんへ

ごめん俺ら今一緒にいることが出来ないんだ悪い、けどきっと宮田たちが横尾さんのことを捜し出してくれるはず伏姫の祠を知っているか?多分あいつらそこへ来るから、そっちへ向かい合流してくれ俺らのことは心配いらない2人一緒だし、じゃまた会おう。

─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─北山宏光

宮舘
くっ

何をやっても空回りしている自分たちが情けなかった、だけど俺らはこっちで待機しているしかない。

横尾
俺、追いかけてみるよ
佐久間
2人を?
横尾
まだ遠くへは行ってないはずだ
宮舘
横尾くん
横尾
心配するな必ず合流してみせるから


でも薮くんは違っていたんだ自分から行動を起こし凄いなって思う、その勇気を本当はめっちゃ恐かったんじゃないのかな?って。

「自分の身体を張ってまで北山くんを護った薮くんを俺達は誇りに思います、だから早く目を覚まして下さい、みんな待っていますから」

月の道は何処までも続く…

いつまでも俺達は共に歩いて行こう、これからもずっと一緒に。




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