「あの...。私の恋。応援してほしいの。ダメかな?」
そんなの...無理だなんて。
「前、そう言ったじゃん。応援するよ!」
精一杯笑って見せた。
「ありがと。そう言ってくれると思ってた。あっ、そうだ。あなたって呼んでいい?」
「うん。じゃああなたも美羽って呼ぶね。」
「うん。ほんとありがとう。あなた!」
そう言ってほんとに楽しそうに嬉しそうに笑う美羽の顔はとっても可愛くて美人だった。
美和を見てたら大和のあの輝く笑顔を思い出す。
(カラン)
「ありがとうごさいました。またお越しくださいませー!」
「今日はごめんね、いきなり呼び止めて。また会おうね!じゃあまた!」
美羽は手を私にひらひらふった。
「じゃあまた!」
私何してんだろ。
好きな人傷つけて。
結局八方美人やってるだけじゃん。
「はぁ。」
もう大和のことで精一杯で。
透也のことも...
私、ほんっと、サイテー。
久しぶりに空を見上げてみた。
綺麗なはちみつ色だった。
なんで大和じゃなきゃダメなんだろ。
私の初恋は
運が悪かったのかもしれない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!