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第1話

誰?
302
2019/03/03 04:29
時計台
迷った時にはいつもここにいる
いつもいつも
それを「楽しみ」に変えてくれたのは

君だった




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2月2日(土曜日)

今日は寒かった
何となく時計台に来ていた
青春したいなぁー
なんて言ってみる


もう帰ろうかな


「ねぇ」

え。
わたし?
そこに立っていたのは
同い年位の男の子だった

「私ですか?」

「それ以外いないじゃん」

「ですね」

「わたし、あなたと知り合いですか」

「俺はずっと君のこと知ってた」

なんで?誰?
その子は何気なく私の隣に腰を下ろして
また、私を見つめた

「俺、大和」

「私、あなた」

いきなり現れて名乗って
...ていうか自分も名乗っちゃった
しまった

「私、帰らなきゃ」

「また会おうね」

「うん」

でも、絶対会えない
たまたま、会った人とまた偶然会えるわけ



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