無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

前の話
一覧へ
次の話

第1話

ロボット美人
━━━ねぇ、大輝。私ね、君がいてくれたらそれ以外何もいらない。
どうして昔みたいに笑いかけてくれないの?
君の1番近くに居たいのに。
好きなんだよ?大輝━━━。

その他の人
その他の人
高橋さん、勉強時間調査票の提出遅れてごめんなさい...
背後から聞こえた怯えたような声。
声のした方を見るとクラスメイトの女子が目を伏せがちにプリントを差し出していた。
勉強時間調査票は、日直の私が集めて先生へ提出する予定。今日中までだから別になんの問題もない。
高橋千紘
高橋千紘
別に
そう言いプリントを受け取る。
すると女の子は恐る恐る尋ねてきた。
その他の人
その他の人
お、怒ってる?
高橋千紘
高橋千紘
どうして?私があなたに怒る理由なんてない
なんでそんな質問されるのか分からずにそう答えれば、女の子は顔をゆがめてその場を去った。
するとすぐさまさっきの女の子と女の子の友達と思われる人の話し声が聞こえてきた。
その他の人
その他の人
ちょっと、大丈夫?
その他の人
その他の人
怖かったー!キレられたよ、私
その他の人
その他の人
こっわ!せっかく美人なんだからニコニコしてればいいのに
その他の人
その他の人
ほんとにね!あれじゃ友達いなくてもどうしようもないよ。ロボット美人ちゃんは
丸聞こえだ。
いつからかは分からないが、私は『 ロボット美人』と呼ばれるようになった。
無表情で感情がない。誰がつけたのか知りもしないが、こんなにつまらないことを考える人もいるもんだと思う。
周りにどう思われようが知ったこっちゃない。周りのヒソヒソ声を無視して、私はお弁当を抱え教室を出た。
高橋千紘
高橋千紘
━━━━いた
屋上の景色の中に、フェンスを背に座り込む大輝。染めたことのない黒髪にすっと通った鼻筋と細い目。スラリとした長い手足。その姿は今日も相変わらず不健康そうだ。
ドアを開ける音に気がついたのか気だるげにこちらを向く大輝。
桐谷大輝
桐谷大輝
また来たのか
私を見つめる瞳には呆れの色を滲ませた。
その目はいつも私を息苦しく圧迫する。
高橋千紘
高橋千紘
今日も大輝にお弁当作ってきた
今日はいつもより早起きして頑張った。
高橋千紘
高橋千紘
レパートリーが増えたの。結構自信作なんだ...
桐谷大輝
桐谷大輝
いらねぇよ
懸命に弾ませた声とは別にまるで拒絶するような声。
高橋千紘
高橋千紘
でも、大輝に━━
桐谷大輝
桐谷大輝
弁当はもういらない
高橋千紘
高橋千紘
大輝...
桐谷大輝
桐谷大輝
俺は一人で食べるから、千紘も戻って一人でたべろ
そう言われてしまっては引き下がるしかない。
高橋千紘
高橋千紘
...わかった。食べたくなったらいつでも言って。明日もお弁当、作ってくるから
桐谷大輝
桐谷大輝
...
高橋千紘
高橋千紘
じゃぁね
そう言い残し屋上を出てドアを閉める。ため息をつき重い空気を吐き出す。何回拒絶されても毎日お弁当を作ってくるのだ。いつか一緒に食べてくれるって信じて。