ラギー先輩に連れられ、先輩達のクラスに入る。クラスメイト同士で話している生徒達がほとんどの中、机に突っ伏して寝ている生徒が一人おり「あ、レイシ君」とラギー先輩が名前を呼ぶ。すると、呼ばれたその人は眠たそうに顔を上げた。
小声でデュースと話している間に、ラギー先輩がユウについてレイシ先輩に説明し始める。にしても、中性的な人だ。そして、いかにも真面目な優等生って見た目で、一見地味。ラギー先輩と話してる時の声も中性的で低めだが、声が大きいわけでもなく、ユウと比べても柔らかい口調且つ控えめで大人しげ。遠くから見れば無愛想で怖そうだが、会話を聞くに優しげではある。
ユウがお礼を言うと、レイシ先輩は「いえいえー。色々あるだろうけど頑張って下さい」と軽く笑った。結構緩そうな人だ。
引っかかるような言い方をされると、更に気になってしまうが、次は体力育成の授業がある。早く着替えてグラウンドに行かなければいけないので、今日はここら辺で切り上げる事にした。
ユウが最後にお礼を言い、俺達は急いで教室へと戻って行った。最終的な印象としてはマイペースで緩く、この学園ではカモにされそうな人。けれど、少し……何処か不思議な雰囲気を漂わせている感じは確かにしなくもない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。