第5話

第一章 二話 レイシ先輩 エース視点
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2022/01/18 22:19
ラギー先輩に連れられ、先輩達のクラスに入る。クラスメイト同士で話している生徒達がほとんどの中、机に突っ伏して寝ている生徒が一人おり「あ、レイシ君」とラギー先輩が名前を呼ぶ。すると、呼ばれたその人は眠たそうに顔を上げた。
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
あれ、この人……今日飛行術で見た人じゃね?
デュース・スペード
デュース・スペード
なるほど。魔法が使えないから、ホウキを持たずに記録をつけさせられてたんだな
小声でデュースと話している間に、ラギー先輩がユウについてレイシ先輩に説明し始める。にしても、中性的な人だ。そして、いかにも真面目な優等生って見た目で、一見地味。ラギー先輩と話してる時の声も中性的で低めだが、声が大きいわけでもなく、ユウと比べても柔らかい口調且つ控えめで大人しげ。遠くから見れば無愛想で怖そうだが、会話を聞くに優しげではある。
詠永 零熾
詠永 零熾
珍しくラギー君から話しかけて来たから何事かと思ったけど、君がユウ君?噂で耳にしてたから名前覚えてしまったよ。詠永零熾です。初めまして
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
は、初めまして!レイシ先輩の事は学園長やラギー先輩から先程伺いました。僕と同じで別世界から来たって……
詠永 零熾
詠永 零熾
同じように別世界から来たといわれればそうだね。同じ世界から来たって言われたら、ちょっと違うかもですが
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
そうなんスか?
詠永 零熾
詠永 零熾
うん。そこら辺はあんまり詳しく教えられないんですけどね。あっちの知り合いから異世界にいるからって元いた世界の事をペラペラ話すなって言われてるもので
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
細かい知り合いッスねぇ
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
一時的に元の世界に帰ったって学園長が言ってたんすけど……どうやって帰ったのか、逆にどうやって戻ってきたのかは覚えてたりします?
デュース・スペード
デュース・スペード
今、どうやってこの世界で生活してるのかも気になってるんだろう?ユウ
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
うん
詠永 零熾
詠永 零熾
そうだねぇ。一時的に帰れた時は、闇の鏡と元居た世界が繋がったから帰れたんですけど、どうして繋がったのかは分からないなぁ。で、ここだけの話。闇の鏡が元の世界と繋がったことで、何故か元の世界とツイステッドワンダーランドを行き来出来るようになったから、今は自宅から通ってます
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
え、そんなことが……!?
詠永 零熾
詠永 零熾
けど、闇の鏡は常に元居た世界と繋がってるわけじゃなくて、合言葉を言わないと繋がらない。でも、これはあくまで僕の場合だから君が帰る方法は分からないかなぁ。すみませんね。ご期待に添えず。学園長も知ってるはずなんだけど……その様子だと教えて貰えなかったみたいだね。学園長のことだし、僕と君を会わせるきっかけでも作ったつもりなんでしょうね
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
学園長そのこと知ってたんですか……?
でも、僕と同じ様な人がいると知れただけでも良かったです。ありがとうございます
ユウがお礼を言うと、レイシ先輩は「いえいえー。色々あるだろうけど頑張って下さい」と軽く笑った。結構緩そうな人だ。
グリム
グリム
ん?話を聞いてると、合言葉を知ってるレイシが居れば、オレ様達も異世界にいけるのか?
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
そう、なるんスかね
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
異世界……!気になる!
デュース・スペード
デュース・スペード
おい、流石に駄目に決まってるだろう。だからレイシ先輩も元居た世界については詳しく話さないんじゃないか
詠永 零熾
詠永 零熾
んー……魔法が存在しない世界なのは確かなんだけどね。君達にとっていい世界かどうかは分からないなぁ
引っかかるような言い方をされると、更に気になってしまうが、次は体力育成の授業がある。早く着替えてグラウンドに行かなければいけないので、今日はここら辺で切り上げる事にした。
ユウ(監督生)
ユウ(監督生)
ラギー先輩、レイシ先輩ありがとうございました
ユウが最後にお礼を言い、俺達は急いで教室へと戻って行った。最終的な印象としてはマイペースで緩く、この学園ではカモにされそうな人。けれど、少し……何処か不思議な雰囲気を漂わせている感じは確かにしなくもない。

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