……なんでいきなり、観覧車?
へえ、結構高くまで昇るんだ
そうだね。まだ半分程度だけれど、
十分園内が見渡せるね
園内……あっ……。
(……また、ビニール)
あれも壊すんだな……。
あんなに、たくさんの子供達が遊んでたのに。
楽しんでたのに……。
あそこを見てみろ
……あれ……。
あそこって……ワンダーステージ?
……凄いなぁ
あんなにたくさんのお客さんがいる。
小さい子供から、私達と変わらない人まで……。
前とはまるで違うだろう
__潰れそうだったステージが、
今では連日満員御礼の大盛況!
さらに、園内ショーコンテスト1位の
座も目前!
そして何より!
日々数えられないほどたくさんの笑顔を生み出している!
これぞまさに、オレ達ワンダーランズ×ショウタイムの真の力といえよう!!
私達の力で、ここまで……!
そして……
そこから導き出せる事実がある
……事実?
そう!それはつまり__
オレ達に、
できないことはないということだッ!!
……いや、飛躍しすぎっしょ。
でも……これが通常運転か。
__いいか、えむ、あなた
何を悩んでるか知らんが、前ここで
話したことを忘れるな
お前らがみんなを笑顔にしたいように、
オレ達だって、お前らを笑顔にしたい
それに、今回ここにいるのはオレと
お前らだけじゃない。
寧々と、類と、ネネロボもいる
みんな……。
だから、お前らふたりから笑顔を奪っているものを教えてくれ
そいつを、
一緒になんとかしようじゃないか
司……!
司くんの言うとおりだよ。
僕達はふたりに、いろいろなものを
もらっているからね
たまには、
僕達にも恩返しをさせてほしいな
……うん
わたし達にも何かさせてよ、えむ、あなた
みんな……
ごめん、みんな……。
私……泣きそうだよ……っ。
みんな……ありがとう……っ
ありがとう……みんな……
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。