佐々木 side
澤田「あれ、帰ってくれてても良かったんやけど」
「って、どしたん。顔死んでんで。」
『…おん、…、、』
あの2人が昇降口を出てから、しばらく経ったあとに
私は、へなへな〜と腰を抜かしてしまい
そのまま廊下に座り込んでいた。
他の人がジロジロと引いたような目をしながら見られても
今の私には、そんなことなどどうでも良かった。
むしろ、全くをもって気にしなかった。
最近、ある意味、日に日にメンタルが強化されている気がする。
まぁ、それは2人のおかげやな。
澤田「ちょ、いい加減立ってや。」
「目立ってんで!」
希美に呆れられつつも、
希美は、私の重くなった、どこにも力の入らなくなった体を
よいしょ、と抱え、無理矢理立たせた。
澤田「何があったかは知らんけど、しっかりしてや。」
『希美ぃ、、
…スタバ奢って。』
澤田「なんでやねん。」
『けち。』
『こんなに可愛い子から、お願いされてるんやで?!』
澤田「自分で言うなや。鬱陶しい。」
『今日も安定に毒舌ばばあや。』
澤田「誰が"ばばあ"じゃ。この生意気小娘が。」
「こちとら、まだピチピチの現役JKやねんぞ。」
『え、コスプレじゃなかったん、?!』
澤田「そろそろ、インド洋あたりまで飛ばしたろかな。」
「右か左、どっちの拳がええかなぁ?」
『すいませんでした。』
『どちらも嫌でございます。』
こうやって、希美との会話のおかげで、なんとかいつもの自分を取り戻し
外の景色が夕暮れがかった時間、2人でゆっくりと
結局、何も澤田さんには奢ってもらわずに歩いて帰った。
『やっぱり希美、好っっきやわぁ!!』
澤田「え、なに急に。怖い。どしたの。告白ならごめんやけど、お断りやで。」
『いや、そっちの意味ちゃうがな。』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。