第6話

4.
473
2022/09/09 14:39
佐々木   side





いつも通りの学校での一日を終え、


日直で少し遅れると言っていた希美を、昇降口で待った。





SHRが終われば、部活に行く人、帰る人が一気に押し寄せるから


直後の昇降口は混みやすい。


だから、少し様子を見計らってから教室を出て


静かになり始めた昇降口の端の壁に寄りかかった。





女「おっ、あなた。またね〜。」


『うん、ばいばーいっ、笑』




時々、同じクラスの子が通りかかると


手を振りあって、バイバイをする。


ここの高校、何気に顔面偏差値高いから


可愛い子からのバイバイって、本当に癒されるんよ。


まぁ、成瀬さんに勝てるような子は…


いないんだけどね、笑





「あれっ、あなた。」




ふっと真正面を見る。


聞き覚えのある声に、即座に耳が反応して


瞬発的に、目線を上げてしまった。




『大吾。』


西畑「どしたん、今帰りか?」


『うん、まぁそんな感じ。』


西畑「まぁ、ってなんやねん。笑」




ふっと笑う大吾の隣には、


いつもいる成瀬さんの姿がなかった。





『あれっ、成瀬さんは?』


西畑「あぁ、あいつちょっと遅れるから、今日は先帰ってて〜って。」


『そうなんや。笑』


西畑「まぁ、あいつも優等生やしな〜」


『大吾も人のこと言えへんやん。』


『私よりも頭良いくせにっ、』


西畑「頭の作りがちゃうんよっ笑」




そう言うと、大吾は人差し指で


私のおでこをぐっと押した。




こういうところ、無意識なの、ほんとにずるいっ。






西畑「せっかくやし、今日は一緒に帰る?」


『え、?』


西畑「あ、別に嫌ならええんやで。」


『あ、え、えと、』


西畑「なぁに、どっちなん。」









「大吾くんっ!」


西畑「あ、かれん!遅れる言うたやん!」


成瀬「大吾くんのこと、待たせてられないなって思って早く用済ませてきたっ笑」


西畑「可愛いすぎやろ、笑」


成瀬「えへへぇ、…/ / / 」





目の前でイチャつく二人を見て


私は何を見せられているんだろうと、本気で思ってしまった。


こっちの気も知らないでっ、…





って、なに頭にきちゃってんの。


いつからそんな性格悪い女になったん?(元々


2人はカップル。恋人同士やねん。


結局、私が入れる隙って1ミリもないんやなぁ、、。




西畑「かれん、あなたも一緒に帰ってもいい?」


『、え、?』


成瀬「あぁ、全然っ笑」





大吾が急に馬鹿なことを言いだし、


スっとすぐに我に帰って、肘で大悟をどついた。





『馬鹿っ、彼女目の前にしてそんなこと言わんといてよ。アホか。』


『2人で帰りやがれっ。』


西畑「え、あ、かれん、ごめん。」


成瀬「いや、全然っ!私のことは気使わないで!」


「その、ほら、2人は"幼馴染"なんだし!」


「築いておかなきゃいけない関係とかってあるわけだし。笑」


『大吾と帰っても、どうせ帰りに何か奢らされるだけやから笑』


『ほな、私希美のこと待たなあかんからっ!』






そう言って、私は慌てて下駄箱の方に入り込んで靴を脱ぎ


隠れるようにして廊下にあがった。






西畑「、、じゃあ、帰ろか。」


成瀬「そだね。笑」




そうして、2人の声も聞こえなくなり


なんとなく誰もいなくなったことを察した。






ただの"幼馴染"。


そうだよ。


別に向こうが私に対して恋愛感情を抱いているわけじゃない。


それに、私はきっと恋愛対象じゃない。


一生報われない恋。


"好き"って気持ちが届くわけやない。









ほんまに、この気持ち、どっかに行ってほしい。




















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