第53話

LIII
1,551
2022/02/16 07:57



No side





光己
確認するけど…勝己のお友達よね?
あなた
クラスメイトの、狛魏あなた…です。






今は亡き姉(正しくは姉貴分)の早苗に注意された事を思い出しながら、

慣れない敬語を使いながら自己紹介をする狛魏。


すると、爆豪の母、光己が思い出したように、
「あぁっ!」と言った。





光己
貴方があなたちゃんだったのね!
あなた
?…まぁ、はい?
光己
あ、お風呂入ってきなよ!
あなた
え、あ…






何が起こっているかわからない狛魏は、半ば強引にお風呂に入ることになった。





あなた
…あったかい。






体に染み渡る温かさにうっとりする。

こんなにお風呂が気持ちいいと思ったことは、これが初めてだろう。


嬉しさのあまり、"個性"で幼児化してしまうくらいだった。





あなた
そろそろ出よ…






風呂から上がりほかほかしている狛魏の元に、
光己が真っ白なバスタオルと、着替えを持ってやってきた。





光己
これ、着てね!服は洗っておくわ。
あなた
そんな…いいです。
光己
いいのいいの!






申し訳ない気もするが、狛魏が折れ、
洗ってもらうことにした。





あなた
何から何まで…ありがとうございます。
光己
いいわよ!






渡してもらった服に袖を通して、
リビングに案内された。

そこには、ソファで飲み物を飲みながらテレビを見ている爆豪の父、まさるの姿があった。





あなた
あの…こんにちは。
!あぁ、狛魏さん…だっけ?
いつも勝己がお世話になっているね。
あなた
いえ…こっちこそ、仲良くしてくれて…
あなた
ありがたいです。






キッチンに向かった光己は突然「そうだ!」と言い、狛魏の方へ振り返った。

光己は提案しようと思ったのだ。





光己
今日、ウチに泊まっていかない?
あなた
え…?






狛魏の声と共に、ドアの開閉音が響く。

勝己がレジ袋を片手に、帰ってきた。





爆豪勝己
あっ、てめ…!
あなた
あ、え…?
爆豪勝己
んで俺の服着てんだッ!!
あなた
え、ぁ…






狛魏に詰め寄る勝己に、母の光己が「今日だけ!」と言う

容赦がない。





光己
私のじゃちょっと大きすぎるから!
あなた
ごめんかっちゃん…今日だけ、ね?
爆豪勝己
…チッ。
光己
コラ勝己!
舌打ちなんかするんじゃないよ!
爆豪勝己
うるっせーババァ!
買い物行ってやったんだ感謝しろや!!
ふ、2人とも…やめなよ!
狛魏さんが困ってるだろう…?






そんな光景を見た狛魏は、逆に気分が楽になった。

大好きだった姉が亡くなった狛魏の心には、ぽっかりと、大きな穴が空いている状態だった。


しかし、この爆豪一家のおかげで、少しづつだが、穴が塞がっているような感覚だ。と狛魏は思った。





あなた
…あの!
爆豪勝己
あ゙?
光己
どうかした?
あなた
さっき言ってた…その、
光己
あぁ、お泊まりね!
私達は全然いいわよ!
あなた
!…いいですか?
光己
もちろん!部屋が勝己と一緒になっちゃうのは申し訳ないけど…
賑やかになるね、






自分抜きで話が進んでいる状態に、
何も知らない爆豪の苛立ちは増すばかりだった。

































~ ~ ~





ころ
ころ
急展開🤗🤗(

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